どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。イーサリアム2.0のBeacon Chainローンチは2020年1月を予定しており、32ETHをイーサリアムネットワークにステーキングすることで、バリデータ報酬を受取ることができるようになります。本稿ではイーサリアム2.0とバリデータの最新情報について解説を行います。
関連記事:【墨汁速報】イーサリアム2.0(セレニティ)今後のタイムラインと方針を提案
Beacon Chainローンチの条件
まず第一に必要となるのは、Beacon Chainのデポジットコントラクトのデプロイです。2020年1月の予定はBeacon Chainの#0番目、つまりジェネシスブロックの予定です。これはイーサリアム2.0での記念すべき初のブロックとなり、イーサリアムバリデータは報酬を2020年1月から得ることができるということです。
ですがBeacon Chainのジェネシスブロックを生成する前に、イーサリアムネットワーク上でバリデータとして登録する必要があるのです。Beacon Chainはバリデータの登録や管理を行うシステムチェーンですが、バリデータとして登録するために32ETHをデポジットする、”デポジットコントラクト”をイーサリアムメインチェーン上にデプロイして事前にイーサリアムバリデータを用意することが必要不可欠です。
非中央集権なブロックチェーンにおいて、マイニングノードのアップデートはハードフォークでさえ事前に告知していても、アップデートを忘れるのはよくあることです。つまり事前にバリデータ登録を2~3ヶ月前に行い、十分なセキュリティを確保できるだけのバリデータが準備ができてからこそジェネシスブロックを生成開始できるのです。
デポジットコントラクトのデプロイ予定
10月8日から大阪でイーサリアムのデベロッパーカンファレンス、通称DEVCON5が開催されました。デポジットコントラクトのデプロイは、ETH盗難目的の偽のデポジットコントラクトなどをなるべく避けるために、DEVCON5でのデプロイ予定だったのです。
ですが、DEVCON5前の最後のイーサリアム2.0デベロッパー会議において、「形式的検証(徹底的な検証)やアップデートしたバイトコードの検証などは終わった最終段階だが、(イーサリアム2.0で新たに使用する)BLS署名の規格化が十分だと判断できるレベルまで延期したい」としており、DEVCON5の終了後2~3週間後にデプロイ、つまり11月前後を予定としています。ジェネシスブロックのスタートは遅れるべきではないとしており、依然イーサリアム2.0のローンチは2020年1月予定での開発を行っています。
Beacon Chain開始の最低バリデータ数
また、Beacon Chainの開始には最低バリデータ数が設定されています。これはBeacon ChainのCasperで与えられるファイナリティ(ブロックの確定)の投票割合や、Inactivity LeakなどによるCasperの再起動などのため、最低限のセキュリティとしてコントラクトで定義されているのです。
これはデポジットコントラクトを見ると最低バリデータ数は、2の16乗つまり65536バリデータとなっており、1バリデータにつき32ETH必要であるため、デポジットコントラクトへ2,097,152ETHのロックが必要ということです。
出典:Github
つまり、約209.7万ETHがロックされなければBeacon Chainのジェネシスブロックは生成されないことになります。このバリデータ数の値は何度も変更されており、現在のイーサリアム価格で計算すると約420億円分のETHがデポジットコントラクトにロックされなければならないのです。
これは価格変動によってデプロイまでには変更される可能性はあるものの、約210万ETHがコントラクト内に2020年1月までにロックされる可能性があるということになるでしょう。
墨汁サロンでは最新のイーサリアムの情報やバリデータのペナルティ、リスクや影響の考え方などをどこよりも詳しく解説しています。
【こんな記事も読まれています】
・ファンダメンタルが価格に反映されていないイーサリアム(ETH)に投資チャンスはあるのか?
・【墨汁速報】イーサリアム先物の可能性?CFTC新議長「ETHは証券ではなくコモディティである」という見解
・イーサリアム(ETH)のネットワーク容量が急速に底打ちしている事態のナゾ