ブロックチェーンベースの美術品オークションプロジェクトをすすめるマエケナス(Maecenas)はこのほど、ネム(NEM)とゼロエックス(0x)、メイカーダオ(MakerDAO)の3つのブロックチェーンプロトコルとの協力を発表した。
美術品に特化したブロックチェーンベースのプラットフォーム
マエケナスは、美術品へのアクセスを民主化することを目的とした、分散型アートギャラリーオークションマーケット。細分化された美術品が売買されるブロックチェーンベースのプラットフォームで、芸術作品にリンクされた改ざん防止可能なデジタル証明書を作成する。
NEMブロックチェーンのデジタルアセットであるXEM、0xの交換機能、MakerDAOのステーブルコインDAIをオークションに使用し、美術品への投資を行うことができる。
マエケナスのマルセロ・ガルシア・カシル(Marcelo Garcia Casil )最高経営責任者(CEO)は今回の協力について次のように語った。
「ローンチの発表に対する反応は圧倒的なものだった。高品質の企業がMaecenasのパートナーとなり、プロジェクト(トークン化されたピカソのオークションを作ること)の成功を描くために重要な要素を提供してくれることを嬉しく思う」。
アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の作品もトークン化
マエケナスは今年のはじめにオークションを開催し、560万ドル(約6億2,000万円)のアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の絵画をトークン化している。また今回のピカソのプロジェクトは、オークションの広範なパートナーシップネットワークを通して、美術品への投資の民主化を目指すブロックチェーンベースのプラットフォームとしての目標を推し進めることになる。
ピカソの絵画のオークションは2019年の第1四半期に開催される予定で、3つの新しいブロックチェーンパートナーを最大限に活用するために必要な技術の統合が可能となる。オークションの詳細とデジタルトークン化されたピカソの絵画については、近日中に発表される予定。
また、ネム財団東南アジア地域担当責任者のステファン・チア氏(Stephen Chia)は、「マエケナスとネムブロックチェーンにより世界のアート業界が良くなる未来を楽しみにしています」とのコメントを発表した。
芸術作品は、いつどんな価値をもたらすか分からない。数万円で購入したアート作品も、数年後には貴重な人気のある作品となり、いっきに価値が変化することもある。この芸術に対する市場には、想像するよりもはるかに大きいお金が動いていることが分かる。
ブロックチェーンテクノロジーとアートを結ぶことで、デジタルトークン化されたアート作品をブロックチェーンベースのオークションで購入することで、今後この市場に誰もが簡単に参加できる環境ができるかもしれない。また、アートの所有権もブロックチェーンにより保証することが可能で、個人的には、拡張現実の世界と現実世界のアート作品がリンクしていくと、より面白い市場ができあがるのではないかと思う。
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参考
・Maecenas