0x(ZRX)のトークン価格が高騰、モデルの変更が市場でポジティブに評価される

分散型取引所のプロトコル・0x(ZRX)のトークン価格が高騰

アルトコイン・トークンの価格パフォーマンスは最近さえないですが、一部のトークンは高いパフォーマンスをしています。最近で大きく価格が上昇しているトークンの一つはZRXです。

センタリング
出展:CoinMarketCap

ZRX(0x)は分散型取引所のプロトコルです。0xのプロトコルを使えばイーサリアム(Ethereum)上のノンカストディで取引できるDEXを比較的簡単に作ることができます。

0xにおいて、そのプロトコルを用いてDEXを立ち上げるアプリケーションレイヤーをリレーヤーと呼びます。フロントエンドは取引所ですが、実際の取引実行はせず、リレイヤーは注文の通信をするという仕組みです。

注文自体をオフチェーンで行い、取引が完了した場合のみブロックチェーン上のでトランザクションが成立することからオフチェーンオーダーブックと呼ばれます。

現在、0xはメイカーダオ(MakerDAO)や回バーネットワーク(KyberNetwork)に並んでイーサリアム上で主要なプロトコルの一つとして利用されています。

ZRXのトークン変更

ZRXのトークンがここ数ヶ月高騰している理由は、そのトークンモデルの変更です。これまでのZRXのトークンモデルは、これまでリレーヤーが立ち上げたDEX内で手数料として使われるというものでした。

しかしながら、リレーヤーがDEXを立ち上げてその度にユーザーがZRXトークンを手数料として支払うことはユーザーエクスペリエンスを毀損しています。全てのユーザーがZRXを保有しているわけではないからです。

このためZRXはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の資金調達手段のために発行されたトークンであり、0xは優れたプロトコルですが、トークンは失敗であるとされてきました。

そういった批判によってか、今回はトークンモデルが変更されます。新しいトークンモデルにおいては、0xのトレード手数料はZRXではなくETHになります。そして、プロトコルにマーケットメイカーという立場のプレーヤーが存在するようになります。マーケットメイカーはZRXをステーキングして0xプロトコル内に流動性を提供します。

また、マーケットメイキングを行わないZRXの保有者はマーケットメイカーにデリゲート(委任投票)を行うことができます。0xのプロトコル内で支払いされたETHは、マーケットメイカーに支払いがされます。マーケットメイカーが得る報酬がどのように決まるかについては、どれだけマーケットメイキングしたか・デリゲートされている量・自身でステーキングしている量によって決定します。

これは今まで流動性が乏しいことが課題であった0xのプロトコルの課題を解決するとともに、トークンホルダーがZRXを保有して報酬を稼ぐインセンティブ設計も提示しています。

このトークン設計が実際に実装をされて機能するかは経過が見守られますが、少なくとも今の時点では市場にポジティブに評価されています。0xは、このトークン設計の変更の他にも野心的なロードマップを提示しており、詳しくは下記のレポートで解説しています。

関連記事:DEX(分散型取引所)の2019-2020年のプロトコル0xの開発ロードマップについて

参考
ERC20BridgeProxy (Generalized on-chain liquidity buyer)

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