どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。イーサリアム(Ethereum)はローンチから約4年経ちついにセレニティ、現在はイーサリアム2.0またはETH2と呼ばれているイーサリアムの完成形の初期段階が2020年1月へと迫っています。イーサリアム2.0の詳細は明らかになったものの、何がすごいのかどのような影響を与えるのかについては不明瞭でしょう。本稿ではイーサリアム2.0がなぜすごいのかについて解説を行います。
ETH2への移行ステップ
まず前提条件として知らないといけないのはセレニティはイーサリアムの完成形ですが多くの実装が必要となるため、移行は即座にできるわけではありません。基本的にはバリデータの登録と管理、現在のマイニングを必要とするレガシーチェーンとの整合性を保つBeacon Chainのローンチ、イーサリアムのメインチェーンを複数に分割したShard Chain、Shard Chain上のコントラクトを実行するためのeWASM実装、Shard Chain同士の相互送信が主なステップとなります。
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このイーサリアム2.0への移行は時間がかかるものの、それ以上の恩恵をもたらします。まずプルーフ・オブ・ワーク(PoW)でスケーリングすることは困難であることが前提であり、例えばブロックサイズを増加してもブロック伝達問題によるReorgやサイドチェーンではイーサリアムの「ワールドコンピュータ」としてのスケーラビリティは改善できません。
ですがイーサリアム2.0では、今までのブロックチェーンにはない高スケーラビリティおよびセキュリティをもたらすことができるのです。
最大2048倍のShardingによる高スケーラビリティ
Shardingとはイーサリアムのブロックチェーンを複数に分割し、並列したチェーンを1つの密なイーサリアムネットワークとして構成する技術です。イーサリアムやビットコインなどブロックチェーンのメインチェーンは1つであり、正しいブロックは1つです。
つまり、1ブロックに取り込めるトランザクション数は限られていることになります。ですがShadingを実装することで、このメインチェーンを分割すればするほどスケーラビリティは向上するということになります。イーサリアム2.0において、Shard Chainは1024チェーンの実装が予定(64に減らす可能性があり、今後も変更される可能性がある)されており、もし1024Shardとなった場合、既存のイーサリアムより単純に1024倍のスケーラビリティを持つことになります。
またShard Chainでの平均ブロック生成時間は約6秒で、現在のイーサリアムのブロック生成時間は約13秒なので、1024Shardの場合最大で2048倍のスケーラビリティを可能とするのです。ですがShard Chainはメインチェーンを分割するためセキュリティを保つためには十分なバリデータが必要であり、Beacon Chainのジェネシスブロック生成には200万ETH分が必要ですがもし十分なバリデータが集まらない場合、Shard Chainの数をへらすことになるでしょう。
もし64Shardになったとしても、最大で現在の128倍のスケーラビリティを持つことになるので十分と言えるでしょう。
イーサリアムとファイナリティ
PoWにはファイナリティ、つまりそのブロックが確定しているということはありません。これはネットワーク上で不特定多数の参加者が分散合意を行うために、最長のチェーンを正とみなすというルールのもと、Reorgが必ず必要だからです。
ですがこのファイナリティがないことで、トランザクションの巻き戻しがおきてしまい、マイナーは自身の利益のために攻撃を行う事例が多々あります。イーサリアム2.0においてShardingを実装するために、各チェーンにはファイナリティが必須となります。
イーサリアム2.0で使用するプルーフ・オブ・ステーク(PoS)アルゴリズムのCasperでは、バリデータの不誠実な行動に対しペナルティを課します。このペナルティのうちPartial Slashでは同時に大量のバリデータがスラッシュ(ペナルティを受ける)された場合、通常のスラッシュより重いペナルティが課されるのです。つまり攻撃者がバリデータを大量に立ててペナルティを受けた場合、攻撃した際の利益以上の損失を受けることになります。
バリデータはファイナリティの投票を行いますが、このスラッシュプロトコルによりPoWよりもイーサリアム2.0をセキュアに保ち、ファイナリティを与えることでマイナーの造反を心配する必要はなくなります。さらにShard Chainにより最大2048倍ものスケーラビリティを可能にするブロックチェーンの革命と言えるでしょう。
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