ステラのカンファレンスが開催
ステラのネットワークを利用した送金アプリを政府が認可しているメキシコで4〜5日、ステラのカンファレンスが行われた。
参加者はおよそ350人。その大部分がステラを利用している。フェイスブックが主導する仮想通貨リブラの影響もあり、イベントでは規制について活発に議論が行われた。
ステラの開発者であるJed McCaleb(ジェド・マケーレブ)氏は、仮想通貨「Stellar Lumens(XLM)」が一般の人々の役に立つようになることが目標だと語る。
McCaleb氏は、米リップル社の共同創業者でもあり、いわゆる仮想通貨業界の重鎮である。上述した送金アプリ「Saldo」の開発者Marco Montes Neri氏も、実際に人々にお金を使ってもらうなら「規制機関の協力」は欠かせないと語った。
フェイスブック主導のリブラプロジェクトも、目的の1つに送金利用を挙げているが、ステラにはすでに稼働しているというアドバンテージがある。それに加え、プロトコルにコンプライアンスのレイヤーがあり、標準機能として本人確認手続き(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)が行える機能が備わっているという特長もある。
McCaleb氏は、ビジネス利用においてイーサアリアムのネットワークよりも優位性があると語り、コンプライアンスは、他のブロックチェーンが特化してこなかったレイヤーだと主張した。
中央銀行発行のデジタル通貨
またリブラの発表後に活発化してきたCBDC(中央銀行発行のデジタル通貨)にも議論が及んだ。金融経済学のLinda Schilling教授は、仮想通貨の普及で中央銀行も対抗意識を燃やすと話す。グローバルに仮想通貨が普及すれば、中央銀行は政策が効果を発揮しなくなることを理解しているという。
もし中央銀行が民間企業に負けないようにP2P決済を行う場合、莫大なデータが政府機関に流れると説明。人々がCBDCを利用するなら、それはGAFAのようなビジネスモデルになると語る。政府機関は特に投票権のある人や、反対派や政治のライバルとなる人々の情報を握るだろうと警鐘を鳴らした。
リブラについて
フェイスブックが主導するリブラは、低料金で速い送金の実現、金融包摂、仮想通貨発行の簡易化など、ステラを同じビジョンを持っている。
McCaleb氏は、フェイスブック社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏を初めとするリブラのメンバーは、自分たちがどの領域でビジネスをしようとしているかを理解していないと語った。「アプローチが少し傲慢に感じるし、少なくても門外漢の印象だ。未熟な印象も受ける」と述べている。
またリブラは、運営を担うリブラ協会の存在があるため中央集権的な印象だとみなし、やろうとしていることはステラと同じだと話した。
参考資料 : CoinDesk