
米商品先物取引委員会(CFTC)が、「ETHは証券ではなくコモディティである」という見解を公表しました。既にビットコインは、バックト(Bakkt)およびCMEで規制された先物取引が行われています。
いずれもローンチ直後は取引高は少なかったですが、取引高は徐々に大きくなっており、今では相応の影響力を持つ市場に成長しています。このような規制された先物商品がローンチされると、機関投資家も参入しやすくなり資金流入が見込めます。
CFTCがETHをコモディティではないと見解を表したことから、ETHもビットコイン同様に規制された先物商品がローンチされることが期待されていますが、それはすぐには実現しないかもしれません。米メディアはこの理由を4つに分けて解説しています。
ETHはBTCと比べて取引高が低く需要が不明
まず、そもそもETHはBTCと比べて取引高が低いという背景があります。既存の市場でビットコインより取引高が低いものを規制された先物商品としてもローンチしても需要を見込めるか不明であることから、CMEなどが強く推進する動機としては薄いと考えられます。
ETHの現物の取引はBTCに対して4分の1、ETHの規制されていないものも含む先物の取引はBTCに対して10分の1です。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の移行は新たな規制リスク
CFTCはETHは証券ではないとの見解を示してしますが、この発言がイーサリアム(Ethereum)のPoS以降も視野に入れた発言であるかは不明です。イーサリアムは今後約2年でPoSへ移行して、ETHをステーキングしてブロック生成に参加すると、ブロック報酬を貰えるようになります。
つまり解釈によってはETHはインカムゲインを得れるアセットということになり、PoSによって証券性に該当するのではないかという新たな議論が生まれるはずです。
イーサリアム開発コミュニティへの不安
ビットコインとイーサリアム、それぞれの開発コミュニティはアップデートに対する方針が異なります。ビットコインではアップデートに対してハードフォークはもちろん、ソフトフォークもなるべく避けて新しいソフトウェアをリリースすることに対して、イーサリアムでは年に平均2回程度のハードフォークをしながらビットコインと比べて大規模にコードをアップデートさせています。
しかしながら、イーサリアムでは直近2回のハードフォークであるコンスタンティノープルとイスタンブールはそれぞれ直前に致命的な脆弱性が発見され延期になっています。このようなことが開発コミュニティへの不安に繋がり規制された先物実現に時間を要する原因になり得るかもしれません。
ロールバックをコミュニティが主導して行う不安
イーサリアムのブロックチェーンは2016年にザ・ダオ(The DAO)のハッキング事件の資金を取り戻すため、ブロックチェーンのロールバックを行っています。
特定の集団の決定によるロールバックが認められてしまえば、イーサリアムは金や銀、米などと同様のコモディティとは主張しにくくなります。一度ロールバックの実績を作ってしまっているイーサリアムが、今後二度とロールバックをしないという保証はありません。
ETHの先物実現の懸念はBTCとの差
これら4つの論点はETHの先物は実現に時間がかかるかもしれないという懸念ですが、BTCとETHの差としても読み替えられます。少なくとも伝統的金融業界からの視点で、ETHをBTCと比較したときのアセットとしての差であると言えます。
参考
・Regulated ETH Futures? Not So Fast
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