Ontology上のDAppsの概況、アプリケーションにはどのようなものが存在するか?

スマートコントラクトプラットフォームであるオントロジー(Ontology)について基本的な概要はこちらのコラムで解説をしました。

本コラムではOntologyの分散型アプリケーション(DApps)にどのようなものが存在するかなどの状況を概観します。

Ontology上のアプリケーションにはどのようなものが存在するか?

DAppsのリスティングサイトであるダップレーダー(DappRadar)、およびダップレビュー(DappReview)によると、Ontologyで利用者の多い上位DAppsは以下の通りです。(2019年12月時点)

Dappradarのイメージ画像
出典:DappRadar参照

上位50位のうち7割がゲームでといったところでしょうか。また、Ontologではギャンブルのアプリケーションを排除する動きがファウンデーション主導で行われています。
ギャンブルアプリケーションはDAppインセンティブモデルを受け取ることができず、公式のアプリケーションストアから削除されます。デプロイされてもOntologyの公式のアプリストアからは排除されるとしています。

その他のアプリケーションを概観すると、DEXなど分散型金融、データエクスチェンジ、ストレージなどが存在します。多くのアプリケーションが中国企業の開発によるものです。いくつか個別のアプリケーションを見てみましょう。

HyperDragons

HyperDragonsは、Ontology上で最も利用されているアプリケーションです。RPGゲームで、ゲームアイテムがトークン化され、売買されています。

HyperDragonsの画像
出典:HyperDragons参照

Paxos

ステーブルコインのパクソス(Paxos)はイーサリアム(Ethereum)上でも引き続き流通していますが、Ontologyのブロックチェーン上でも流通をはじめました。

Paxosのイメージ
出典:Paxos

TreasureLand

TreasureLandは現在、3D超多人数オンラインロールプレイングゲームであり、Ontology上で最もユーザー数が多いアプリケーションの一つです。2019年12月現在使われている言語は中国語のみで、中国国内のユーザーが主流であると想定されます。

TreasureLandのトップ画像
出典:TreasureLand
TreasureLandはDAppReview上では最もトランザクションが多いDAppsとなっており、DAppRaderと数字が異なる理由は、コントラクトのデータのとり方が異なっているからだと思われます。いずれにしてもTreasureLandのアクティビティが活発であることは間違いないでしょう。

DappReviewで表示されたTreasureLand
出典:DappReview

MovieBloc

Moiveblocの画像
出典:MovieBloc

Movieblocは動画コンテンツのプラットフォームです。クリエイターは透明性高く収益分配を受け取れます。また、視聴者数のデータなどが可視化され、キュレーター・字幕製作者・マーケターにまで収益分配が可能なプラットフォームです。

Ontology DEX

Ontologyのブロックチェーンで稼働するDEXです。トランザクションフィーを支払うためのネイティブトークンであるONGを基軸として取引ペアが用意されています。
OntologyDEXのトップ画像
出典:Ontology DEX

bestyoule

bestyouleは、顧客のロイヤルティを向上するポイントプログラムのプラットフォームです。小売店はポイントをブロックチェーン上で簡単に構築でき、顧客は家族間でのポイントシェアリングシステムや、各家族に合わせた包括的なサービス特典のカスタマイズをすることができます。

bestyouleのトップ画像
出典:bestyoule

OntologyデュアルトークンモデルがDappsエコシステムに促すメリット

Ontologyデュアルトークンモデルは、Dappsエコシステムの成長にとってメリットがあるとしています。トークンであるONTをステーキングするユーザーは、トランザクション手数料に支払うONGを得ることができます。新たにONGを無料で手に入れることができるため、このユーザーにとってはOntologyのDAppsのトランザクション手数料は無料のようなものです。

そして、Ontologyのアプリケーションを積極的に使用することで、Ontologyのプラットフォーム自体のトランザクションが増えてプラットフォーム自体が強固になります。このユーザーはONTを保有しているので、ONTの資産価値向上にも繋がり、インセンティブモデルによる循環的なエコシステムの成長を期待できるとしています。

実際にこのような成長モデルが機能するかどうかについては今後検証されるところではありますが、イーサリアムとの違いという観点で興味深い点でしょう。

参考
Why the Ontology Platform Should be the Choice for dApp Developers

【こんな記事も読まれています】
ビジネスでも利用される中国発パブリックブロックチェーンOntology(ONT)とは?
DAppsリスティングサイトに投資集まる、DApp.comとDAppRaderが1億円以上の資金調達
イーサリアム(Ethereum)のDAppsユーザーの実態が明らかに!Metamaskが統計データを発表

おすすめの記事