CanaanのIPOは仮想通貨業界にとってあくまで象徴的な出来事|専門家の発言

米株式市場に初めて仮想通貨企業が上場した、仮想通貨マイニング機器の製造を手掛けるCanaanの事例。専門家はこのIPOを、「事実としてではなく、あくまでも象徴的な出来事に留まるかもしれない」と述べた。

その真意には、業界全体にとっての大きなマイルストーンだと認めるものの、業界での影響は結局のところあまり広がらないとの見解があるという。TheScoopのポッドキャストで、Iterative Capital Managementの代表を務めるLeo Zhang氏が答えた。

マイニングはAIチップと共にCanaan社の2大主力事業のうちの一つであるが、会社の焦点は統合的な仮想通貨企業であるというよりは回路設計にあるとZhang氏指摘する。

競合のBitmainやWhatsminerに技術面で後れを取っているため、”巨大な席を持つにもかかわらず”Canaanの影響力は広がらないだろうと考えているという。

IPOの目論見書によると、Canaanは現在、グローバルなマイニング機器のマーケットシェアの23%を掌握している。11月には、9000万ドルをその話題に欠けるIPOで調達し、オリジナルの調達目標の4億ドルまで77.5%というところに到達した。

わたしはこれが彼らに株式投資家からの多くの検証を要求することになるとはあまり考えていない。現時点ではアメリカのテック系の株式市場は仮想通貨市場と同じくらいインフレを起こしていると考えている。これはセンチメントについての考えであり、数字の上での話ではない。

一方、Bitmainも市場シェア縮小の流れに指をくわえているわけではない。

マーケットシェア拡大のためのグローバルな販売戦略を強化する三つの方策を発表。現在マイニングファームと共同でマイニングする機会を窺っているほか、顧客に対してマイニング機器の販売に柔軟性を取らせるマネーフロー策を講じるほか、通貨ボラティリティに対応するためオプション取引を利用する施策の提供も行う。

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