富の配分状況を算出
クジラ(大口投資家)が所有するビットコイン(BTC)を割合が減少している一方で、主要アルトコインのクジラの所有率が増加しつつあることが分かった。
本データは、仮想通貨の分析を行うclovrが発表。主要銘柄銘柄4つと時価総額トップ100のイーサリアムトークン(ERC20)について、取引所外の14万アドレスを比較・分析し、富の配分状況を調査したものだ。対象の仮想通貨はビットコイン、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)となる。
本調査では、クジラになるために必要なアカウント数、資産が最も多いアカウントの仮想通貨保有率、資産の多いアカウントトップ10の仮想通貨保有率等のデータを算出している。また、所得や資産格差(不平等さ)を示すジニ係数も計算した。ジニ係数は0〜1で表わされ、0だと完全均等状態、1だと完全に不均等な状態を意味する。
4銘柄の富の配分状況を表したのが以下の表だ。ジニ係数が小さい方がより平等であることから、ビットコイン(0.64)が最も分散されていることになる。2018年が0.66だったことから、今年に入りさらに富の配分が進んだ。資産の多いアカウントが保有する割合も1番低い。
一方イーサリアムとビットコインキャッシュは、2018年と比較し富の偏在化が進んでいる。ライトコインは2018年と変化がないが、ビットコインのクジラが保有する量は減っている一方で、他の銘柄は大口投資家の占有率が高まっている。本レポートでは参考情報として、2018年における米国の収入のジニ係数を掲載しているが、その数値は0.49で過去最高だったという。
今回発表されたもう1つのデータであるERC20は、以下の表のように資産の所有にかなり偏りが生じている。時価総額トップ10を掲載しているが、ジニ係数がどれも1に近い。トップのHuobi Pool Token(HPT)の2019年のジニ係数は0.999で、大口になるための必要なアカウント数は1となっている。これはトークンの利用方法に違いがあるためで、こういったトークンは発行者によって管理されている場合が多いとclovrは説明している。
ジニ係数が高いということは、その価格がクジラの動きに左右されやすいということだ。上記の仮想通貨の4銘柄では、ライトコインが1番左右されやすく、ビットコインは影響が1番小さい。大口送金をトラッキングするBOT「Whale Alert」のCEOであるFrank氏は先月、ビットコインのクジラは今後減少するという見解を示していた。
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参考資料 : clovr