機関投資家向けに仮想通貨の情報を提供しているデジタルアセットリサーチ(Digital Asset Research)が1月15日、ビットコイン(BTC)の現物取引における価格発見の分析を情報を発表した。この発表の中でデジタルアセットリサーチは、「ビットコインの現物取引に関する取引所での既知の操作データは、信頼できる市場の価格に限定的な影響しか与えない」と結論付けている。
61の取引所を調査
今回の発表のためにデジタルアセットリサーチ社は、2019年4月から12月までの仮想通貨の現物取引を行っている61の取引所を調査した。ビットコインを基本通貨とし、米ドル・ユーロ・英ポンド・韓国ウォン・日本円などの複数の法定通貨とテザー(USDT)に依存するすべての取引ペアでの取引データを含んでいる。
61の取引所から同社は、ボラティリティイベントからの分離・ビットコイン価格との相関分析・取引遅延の3条件で調査を行っている。
イベントごとに価格変動をリードする上位5取引所を決定
デジタルアセットリサーチ社の調査では、106のボラティリティイベントに関して価格変動をリードする上位5取引所を決定している。その後にプライスリーダーとしての登場回数を集計しまとめている。
また同時に多数の定量的テストと定性データをもとに同社は、各取引所を審査済み(Vetted)・ウォッチリスト(Watch List)・失格(Disqualified)のラベル付けを行っている。定量的テスト・定性的データの両方を満たしたものが審査済み、最初のステップのみを合格したものがウォッチリスト、要件を満たしていない取引所が失格に分類されている。この2つの調査結果をまとめたプライスリーダー登場回数上位10取引所が以下のようになっている。
取引所 | 登場回数 | ラベル |
---|---|---|
バイナンス | 78回 | ウォッチリスト |
リキッド | 56回 | 審査済み |
フォビ | 54回 | ウォッチリスト |
コインベース | 53回 | 審査済み |
ヒットBTC | 47回 | ウォッチリスト |
ビットスタンプ | 34回 | 審査済み |
OKEx | 33回 | 失格 |
ジェミニ | 24回 | 審査済み |
ビットフィネックス | 21回 | 審査済み |
ビットフライヤー | 18回 | 審査済み |
上位10の取引所の内の9箇所は、「審査済み」あるいは「ウォッチリスト」から来ている。これにより同社は、「審査プロセスに合格しなかった仮想通貨取引所での活動は、価格発見に限定的な影響しか及ぼさないことを示していると信じている」とまとめた。
参考
・An Analysis of Price Discovery in Bitcoin Spot Markets
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文:かにたま