アメリカの中小企業の3分の1が仮想通貨決済容認、創業5年以内で顕著

ドイツのミュンヘン再保険会社子会社である米国の検査保険会社ハートフォード・スチームボイラ(HSB)が実施した調査によると、米国の中小企業の少なくとも3分の1が商品やサービスの決済手段として、暗号資産(仮想通貨)を受け入れていることが分かりました。仮想通貨の受け入れがかなりの勢いで進んでいることを示す今回の調査結果とその影響を調べてみました。

歴史の浅い企業のほぼ半数が仮想通貨決済認める

HSBが1月15日に発表した調査結果によると、比較的新しく創業した企業は、デジタルクレジットによる仮想通貨決済を前向きに受け入れる傾向が強くなっています。仮想通貨を受け入れる企業の47%は、5年以内に創設された企業であるのに対して、20年以上も営業している企業は21%しか受け入れていないことが分かりました。

全体として、SMEの36%が仮想通貨に理解を示しており、これら企業の59%は前もって自社利用のために仮想通貨を購入したことがあるとされています。

サイバー詐欺やPC攻撃への攻撃を受けるリスク対策を

HSBのティモシー・ザイルマン(Timothy Zeilman)氏は、「中小企業はスピードのある決済や安価な手数料などに魅力を感じ、仮想通貨を取り扱う利点を歓迎している」とコメント。また同氏は同時に、「新規参入した中小企業は、特にサイバー詐欺やコンピューターへの攻撃など注意すべきいくつかのリスクがある」と警告しています。

ザイルマン氏によると、サイバー犯罪は、中小企業を狙ってさまざまな手段、例えばコンピューター攻撃、マルウエア感染、フィッシングなどの手段を使ってコンピューターに侵入を試みます。セキュリティやコンプライアンスが甘い仮想通貨取引所もあるため、中小企業は詐欺行為を含むありうる攻撃に対して、自衛手段を強化すべきでしょう。

データセキュリティ対策と保険で備えるべき

またザイルマン氏は、「中小企業のオーナーは、仮想通貨を受け入れる前に、そのテクノロジーをできる限り学び、サイバー詐欺やマネー詐取などから保身する強力なデータセキュリティと保険を備えるべきだろう」ともコメントしています。

仮想通貨取引所は、バンキングシステムを迂回して、世界的に取引しており
規制も余りされていない国もあることから、中小企業のオーナーは詐欺による損失を出した場合、なすすべがなくなる恐れがあります。

今回の調査はHSBが市場リサーチ会社Zogby Analytics社に移管して19年10月に実施されました。調査対象は、米国にある505社の中小企業でした。調査された中小企業の75%は、年商500万ドル(約5億5,000万円)以下で、従業員数は100人以下です。

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参考
HSB Survey Finds One-Third of Small Businesses Accept Cryptocurrency

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