企業や開発者は今イーサリアム上でプロジェクトを進めるべきなのか?論点の整理

Ethereum 2.0のローンチでは大規模な移行プロセスが必要になる場合があります。企業や開発者は今イーサリアム上でプロジェクトを進めるべきなのでしょうか、これは多くのプロジェクトが検討している問いです。

Ethereum 2.0に関する開発者の選択肢

そもそもブロックチェーンのプロジェクトの開発において、どのブロックチェーンを使用するか、つまりプラットフォームの選定は常に難しい問題です。その中でもイーサリアムは主要なスマートコントラクトブロックチェーンではあるものの、今後約2年で控えるEthereum2.0の大型アップデートが目下懸念となっています。

この大型アップデートは既存のブロックチェーンを単純にハードフォークすること以上の抜本的なアップデートであり、新しいブロックチェーンをゼロから構築します。その新しいEthereum 2.0のブロックチェーンにこれまでのアセットやアプリケーションの情報、ユーザーは移動しなくてはなりません。移行期間中、イーサリアムは今までのブロックチェーンと新しい2.0ブロックチェーンの2つが存在することになります。開発者は大きくわけて以下の選択肢があると言えます。既存のEthereumのコードやデータを引き継ぎしやすくなる設計も考えられてはいるものの、現段階では仕様が定まっていない実験的なアイデアであると言えます。

  • 1.0がしばらく続く前提で1.0上で開発を続ける(2.0がローンチしても、1.0ブロックチェーンはしばらく存続するため)
  • 2.0への移行を見こして1.0上のアプリ開発をしながら、2.0準備
  • 先行きや切り替えタイミング不透明なので、他のプラットフォームに移行する(COSMOSやPolkadotなどの独自ブロックチェーン、EOSなどその他のスマートコントラクトブロックチェーン)

開発者にとっての問題

恐らく開発者にとって重要なことは、いざ移行に足る十分な理由があると判断した際に移行できる準備をしておくことだと思われます。移行とはつまり、Ethereum2,0かその他のプラットフォームへの移行ということです。

実際に移行をするとなると、大きく分けてコードの問題とデータの問題があります。コードについては、イーサリアムのスマートコントラクト開発言語であるソリディティ(Solidity)と互換性があるプラットフォームでないと、コードを全て書き直す必要性があります。

データについては、既存のイーサリアムのブロックチェーンのデータを参照できるような仕組みが整うとより良いですが、全てがそうなっているわけではありません。移行作業はそのアプリケーションのユーザーやサードパーティーにも協力を促す必要があることがほとんどだと思われ、これについては他のプロジェクトが今後どのような移行の施策をするかなどを見ると良いでしょう。
最近ではブロックチェーンの移行ではないですが、メイカーダオ(MakerDAO)がイーサリアム上でスマートコントラクトの大きなアップデートを行い、ユーザーとサードパーティに大規模な移行を促した事例があります。

ユーザーや投資家はどう捉えるべきか

ユーザーや投資家はこれらの背景をどう捉えるべきでしょうか。まずイーサリアムのアプリケーションのユーザーは自分のアプリケーションが移行のアナウンスをしてから行動すれば良いだけであり、単純です。

投資家についてはスマートコントラクトプラットフォームというテーマの中で大きい変化があるということなので、それに関わる投資機会は有り得るでしょう。最近ではCOSMOS SDKのエコシステムに移行をするプロジェクトも増えています。それらの動向を注意深く観察することが重要であると言えます。

イーサリアム(ETH)の価格・相場・チャート

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