NFT分野にはどのようなビジネスレイヤーが存在するのか?

ゲームアイテムのトークン化に代表されるNFT(ノンファンジブル・トークン)は2020年に日本国内で注目されるビジネス領域の一つになるでしょう。日本国内においてこのようなゲームアイテムのトークン化が、仮想通貨取引として扱われ規制されないかという点については、金融庁から「決済手段等の経済的機能を有していないNFTは、第二号仮想通貨に該当しない・あたらない」という見解が示されています。

これに伴い、日本国内では2020年にNFTを取り扱うビジネスレイヤーが増えることが予想されます。すでに世界と比較しても日本はブロックチェーンゲームの事業者は増えています。また、NFTはゲーム以外の応用事例も数多く生まれており、それについては下記のコラムで取り上げました。

関連:ゲーム以外のNFTビジネス、会員権としてブロックチェーン上のトークンを応用する事例

本コラムでは、これから盛り上がる可能性があるNFTのエコシステムではどのような事業プレーヤーが存在するかを概観します。

NFTの発行体(アプリケーションレイヤー)

まず初めにNFTの発行体が挙げられます。これはゲームや何かしらのプロダクトにNFTを組み込む事業者のことを指します。日本の代表的な事例としては、マイクリプトヒーローズやクリプトスペルスが挙げられます。

MyCryptoHeroes
出典:MyCryptoHeroes

CRYPTO SPELLS
出典:CRYPTO SPELLS

ウォレット・DAppsブラウザ

次に挙げられる事業者は、ウォレット・DAppsブラウザです。これらは基本的にモバイルウォレットクライアントで、暗号通貨の保管の機能を持ち、NFTも保管できます。また、DAppsゲームなどをプレイするインターフェイスにもなっていることが特徴です。海外の主要事業者としてはコインベース・ウォレット(Coinbase Wallet)やトラスト・ウォレット(Trust Wallet)などがあります。日本の代表的な事例としては、トークン・ポケット(TokenPocket)やゴー・ウォレット(GO!WALLET)が挙げられます。

TokenPocket
出典:TokenPocket

GO!WALLET
出典:GO!WALLET

NFTの交換所

NFTの交換所です。これはNFTの取引所であり、多くはETH建てで取引されています。海外の主要事業者としてはオープンシー(OpenSea)が挙げられます。日本の代表的な事例としては、バザー(bazaaar)やミーム(miime)などがあります。

法定通貨のゲートウェイ

他には法定通貨のゲートウェイを提供する事業者などが存在します。例えば、ニフティ・ゲートウェイ(Nifty Gateway)はAPIを提供しており、クリプトキティなどさまざまなゲーム内でクレジットカード決済でNFTを購入できるツールを提供しています。同社は11月にジェミニ(Gemini)に買収されています。買収金額は非公開です。日本国内ではこれに類似する事業者は今のところ存在しません。

DAppsのポータル・分析サイト

他には、DAppsのポータル・分析サイトなどが挙げられます。これらはDAppsのスマートコントラクトをトラッキングして、各DAppのアクティビティを算出したり、ユーザーがDAppを使用するインターフェイスを提供しています。海外の主要な事業者としては、DApp.com、DApp Raderなどが挙げられます。日本国内での代表的事例としては、dApps Marketなどが存在します。

ますます注目が集めるNFT分野

NFTは現在注目される事業領域ですが、このように多くのビジネスレイヤーが存在しています。NFTの活用方法も最近は拡大しており、2020年も動向が注目されます。

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