ビットコイン(BTC)価格は3月12日、暴落し約10カ月ぶりの水準の価格となりました。ビットコインは強気相場になると予測していアナリストのショックは大きかったようですが、円熟しているデリバティブ市場だけは例外です。強気なオプション取引市場の状況から、ビットコイン価格は遠からず反転するという見方が強まっています。
プットコールレシオはビットコイン価格変動の予測に有用?
伝統的市場でのオプション契約は長年、資産価格が上昇するため有効な評価基準として利用されてきました。ビットコインについても同じことが言えます。暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引が円熟して、ビットコインオプション市場は、今後の市場感情を図る有効なバロメーターになるかもしれません。
強気というよりむしろバランスのある市場感覚が、価格変動が激しかったこの数日後、徐々に戻ってきています。スキュー・マーケッツ(Skew Markets)のデータによれば、プット・コールレシオ(PCR)は、3カ月ぶりの高い数値を付けた後、大きく反転しています。
オプション契約は、プット(売り)オプション・ホルダーは先物を売る権利、コール(買い)オプション・ホルダーは買う権利を持っています。プットコールレシオは従って、オプション取引に応じた市場の感情を映し出します。
プットコールレシオが反転下落して買いの権利付きオプションBTC買戻しへ
3月12日の5,000ドル台までの価格急落によって示された1.89というプットコールレシオは、売りの権利を持つオプション契約の数が、買いの権利を持つそれをはるかに上回ったことを示しています。
ところが3月12日から14日までの間に、プットコールレシオは71%も下落して0.54になりました。伝統的な市場では、同指数が0.7以下の0.5に近づくということは、売りの権利と比較してより多くの買いの権利が購入されたという強気相場の指標です。ビットコインオプションの場合、トレーダーが価格反転に備える態勢になることを示しています。
3月15日のオプション取引もまた、同じ傾向を示しました。オランダのオプション取引所デリビット(Deribit)や中国大手取引所OKExの取引量は、ほぼすべての契約が当面の取引価格を上回るストライクプライスによって取引されたことが分かっています。
3月20日という最短の有効期限付きコールオプション契約は現在、1万1,000ドルという行使価格で取引されています。一方、2020年末期限付きのそれは、それぞれ8,000ドルと1万ドルのプットとコール契約で取引されています。つまりプットコールレシオが1を超えて以来、買う権利付きより売る権利付きの契約を選択するトレーダーが増えています。
参考
・Bitcoin Options indicate price primed for reversal
・Bitcoin primed to drop further as Put/Call ratio spikes
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