テゾス(Tezos)のステーキングをより便利にするDeFi(分散型金融)プロトコルが登場

テゾス(Tezos)はスマートコントラクトが実行でき、さらに形式検証を行うことができるためその安全性が高いブロックチェーンプラットフォームです。よく金融や不動産分野との親和性が高いと言われているテゾスがどのように利用されているか特集しています。

テゾスのステーキングを利用した分散型金融プロトコル

テゾスのステーキングをより便利にすることを目的にしたDeFi(分散型金融)プロトコルのDAO Bakerが発表されました。ロサンゼルスに拠点を置くBlock Swapが開発しました。

テゾスはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)をベースにしたブロックチェーンです。ネイティブトークンXTZを保有するユーザーは、トークンをロックすることでコンセンサスメカニズムに参加できます。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)においてはブロック生成できるノードを計算力の投下量に応じて算定されますが、プルーフ・オブ・ステークにはトークン量を係数にしています。プルーフ・オブ・ステークおいてもブロック生成をできたことによる報酬は新規生成されるトークンです。

こういったブロックチェーンの特性上、ユーザーとしてはシンプルにXTZを保有しておくことで金利のように継続的に収益を得られる金融商品のように捉えることもできます。これについては下記のコラムが詳しいです。

【関連】
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の発明から今までの歴史

しかしながら、プルーフ・オブ・ステークに参加して報酬を受け取るには、現在のテゾスの仕様上21日間が必要です。

DAO Bakerはステーキングをより便利にする

DAO Bakerではこれをより便利にします。ステーキングに参加するユーザーは、DAO Bakerのスマートコントラクトを経由することで、ステーキングしたXTZと同等のdXTZというトークンを得ることができます。これはステーキングしたXTZの質権のようなものであると想像すれば良いでしょう。

dXTZの保有者は、rdXTZトークンを利息として得ることができます。これは本来ステーキングで得ることが出来る量と同等分が得られます。このdXTZはテゾス上の分散型取引所で他の資産、例えばステーブルコインなどのようなものと交換できます。ステーキングしたXTZを実際に引き出す際には、同等のdXTZやrdXTZを返済する必要がありますので、その際には再び分散型取引所でステーブルコインなどからdXTZに転換の必要があります。dXTZやrdXTZは理論的にXTZと等価です。

このときに取引する分散型取引所は、AMM(Automated Market Maker)の形式です。AMMとはイーサリアム(Ethereum)上のユニスワップ(Unidwap)のようなモデルで、板取引ではなく、スマートコントラクトが需給によって価格を自動的にアルゴリズムで提示するモデルです。少ない出来高でも取引が成立することが利点です。

DAO Bakerのシステムを構成する3種類の参加者は以下の通りです。

  1. ステーキング参加者:ステーキングする参加者
  2. 流動性提供者:スワップマーケットはスマートコントラクトに流動性を提供するようなモデルであるので、この流動性提供者が必要です。
  3. アービトラージャー:流動性を提供するユーザーと別にdXTZ・rdXTZ<>XTZのアービトラージをするユーザーが必要です。dXTZ・rdXTZはスマートコントラクトを通して常にXTZと等価で交換できます。システムとしても、スワップマーケットで流通されるdXTZやrdXTZを収集して、元のXTZに転換を試みるアービトラージャーが存在しなくても、ステーキング参加者はリスクの転換ができません。

DAO Bakerの目的は10万人をステーキングエコノミーに参加させること

DAO Bakerはオープンソースのスマートコントラクトです。サードパーティーがDAO Bakerのスマートコントラクトをホストするアプリケーションを構築することも可能であると言います。

DAO Bakerの目的は新たに10万人のユーザーをステーキングエコノミーに参加させることであるとされていて、今後の動向が注目されます。

参考
SWAP MARKET: {in} it to win it.

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