テゾス(Tezos)はスマートコントラクトが実行でき、さらに形式検証を行うことができるためその安全性が高いブロックチェーンプラットフォームです。よく金融や不動産分野との親和性が高いと言われているテゾスが、どのように利用されているかその例の1つを紹介します。
ブラジル最大の投資銀行が不動産をテゾス上でトークン化を完了
ブラジルの投資銀行であるBTG Pactualは不動産のトークン化をテゾス上で行ったことを発表しました。BTG Pactualは、投資銀行、資産管理、資産管理の市場で活動するラテンアメリカとカリブ海で最大の投資銀行です。
BTG Pactualは、2019年にイーサリアム上で不動産のトークン化を行っており、2020年5月時点で、トークン化した不動産をセキュリティトークンとして販売しています。既に323のトークン化された不動産のうち、181が販売されたとしています。同社は2019年末に今後、テゾスのブロックチェーンも積極的に使用することをアナウンスしており、これが実現した形になります。
BTG Pactualは、不動産取引ポータルのReitBZを公開しており、ユーザーはこのサイト上でブラジルの不動産に投資をすることができます。
KYCを完了したユーザーは500ドルの小口からブラジルの不動産トークンに投資ができます。不動産運用に関わる配当もブロックチェーン上で受け取れるとされています。
テゾスがこのようなセキュリティトークンになぜ相性が良いかは下記のコラムで解説しています。
関連コラム:テゾス(Tezos)の利用事例、金融領域と相性が良いのか?
不動産のセキュリティトークンのメリットは?
不動産をブロックチェーン上のセキュリティトークンにするメリットはなんでしょうか。主に要件を3つに整理します。
不動産の証券化に関わるコストを圧縮
まず、不動産の証券化に関わるコストを圧縮できます。不動産の証券化は基本的には、SPC(特別目的会社)を設立します。
不動産資産を有する者が、特定の資産を保有するためにSPVを作り、そのSPVに資産を譲渡し、その資産が生み出す将来のキャッシュフローを原資として資金調達を行うということです。しかしながら、このSPVの設立プロセスや原簿管理には大きなコストが生じており、ブロックチェーンはそれらのコストを圧縮できることが見込まれます。
小口化・より多くの人に投資機会を提供
不動産の証券化に関わるコストを圧縮できることは、より多くの人に投資機会を提供できることにつながります。今までコストの関係で証券化ができなかった資産が証券化できるようになり、結果としてより多くの人に投資機会を提供できます。
新しいファイナンス手段
小口化・より多くの人に投資機会を提供できることは、資産保有者にとっては新しいファイナンス手段が増えることでもあります。自身のバランスシートからリスクをオフバランスしたり、それを担保にファイナンスしたり新しい手段が増えるでしょう。
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