2020年初からの暗号資産・トークンの投資パフォーマンスを時価総額別に比較

2020年も半分が終わりました。そこで2020年初からの暗号資産・トークンの投資パフォーマンスを時価総額サイズ別に比較してみました。時価総額が低い銘柄のパフォーマンスが良かったという結果について考察します。

トークンの投資パフォーマンスを比較

本コラムを執筆しているのは2020年6月末で、今年の半分が終わろうとしています。ここで、2020年初からの暗号資産・トークンの投資パフォーマンスを時価総額サイズ別に比較してみましょう。

  • ビットコイン(BTC):+35%
  • イーサリアム(ETH):+87%

加えて、BTCとETH以外のトークンをFTXのインデックスを参照して、年初来比較をしましょう。FTXとは、さまざまなトークンをバスケットにしたインデックスを先物として多く上場する取引所です。

  • 主要トークン(ALT):+34%
  • 中堅トークン(MID):+61%
  • 下位トークン(SHIT):+89%

ALTは主要なアルトコインのインデックスで、構成銘柄BCH、BNB、BSV、EOS、ETH、LTC、XRPです。MIDは時価総額ランキングで、20-70位あたりの付近の暗号資産のインデックスです。構成銘柄は24です。SHITは構成銘柄は60-140位程度の時価総額の暗号資産で、構成銘柄は約40です。インデックスの内訳はこちらのリンクから参照できます。

これらのパフォーマンスを見ると、時価総額が下位の銘柄ほど値上がりしているという結果になっています。時価総額上位の銘柄で構成されるALT、つまり主要トークンに関しては、BTCのパフォーマンスを下回っており、強気相場であった2020年前半において最も値上がり幅が小さいことが分かります。ETHの値上がり幅が、ずば抜けていますが、この理由については下記のコラムで解説しています。

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中堅トークンの価格パフォーマンスが優れない理由は何か?

中堅トークンの価格パフォーマンスが最も優れない結果になっておりますが、この理由はどこにあるのでしょうか。いくつかある中でも最大の理由は、時価総額上位のトークンには先物市場がある点です。2019年後半から暗号資産市場には多くの先物市場が開設され、FTXやBinance、Deribit、ByBitなどが存在します。これらの市場では2019年以前にはほとんど存在しなかったBTCやETH以外の先物も取引されています。

先物市場があると、現物市場に資金が流入して仮に上がったとしても、先物を売るプレーヤーが現れ、現物価格へマイナスに影響を与えることが考えられます。供給が限られている現物市場でショートをするリスクと、流動性がある先物市場でショートできる実現性などを考えると、売り手にとって先物市場が魅力的です。

こういったことを前提に置くと、主要トークンに関しては先物市場が既に整備されています。しかしながら、中堅から下位の暗号資産の個別の暗号資産は先物市場がまだ小さいです。こういった先物市場が利用できるかの有無が価格パフォーマンスに影響を与えている可能性が高いのではないかと推察できます。

2017年の加熱したビットコイン市場を振り返っても、CMEのビットコイン先物が12月18日に上場して、相場としてはほとんどそこが天井になりました。このように中堅から下位の暗号資産の上昇は先物市場有無による影響も大きいのではないかと考えられます。その他にもいくつか要因があると考えられる寄与があると思うものの、この影響は大きく、暗号資産のトレーダーや投資家は、当該暗号資産の先物市場が整備されたときには異なる投資戦略を持たなくてはいけないと言えます。

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