増加する小口投資家のビットコイン(BTC)保有率と市場への影響

最新のデータによると、ビットコイン(BTC:Bitcoin)における小口投資家の占有率が顕著な増加を見せています。また同時にクジラと呼ばれる大口投資家の占有率が、同じようなペースで減少しています。供給面でのサイズ変化が起きていますが、この変化はビットコインにとって、強気と弱気のどちらに影響するのでしょうか。

供給制限による影響

ビットコインに固有の価値をもたらす特性の中で最も特徴的なのは、2,100万BTCに厳しく制限された発行量とされています。発行量をベースとした価格予想モデルが考えられてきましたが、そのいずれも価値が極めて高くなるように結論づけられています。

このような価格モデルの理論は、ビットコインの発行量が極度に制限されていることから、インフレ経済に反応しやすいことを前提にしています。またビットコインは永続的に価格が上昇し、総発行量の2,100万BTC全てが流通するまで、市場への供給量が少しずつ減っていくように設計されています。

ビットコインのネットワークを維持するマイナーが受け取る報酬は4年ごとに半減していきます。この仕組みによってマイニングコストが上昇することになり、マイナーは急いで売りに出すことを避けて、資産として保持するようになります。

半減期による影響は、ビットコインの値上がりと強気市場を引き起こすと考えられますが、一方で市場に流入する供給の流れも変わります。データによると供給そのものにも大きな変化をもたらすことが報告されています。

ビットコインは大口投資家から小口投資家へ

金融市場は需要と供給の関係で変化しますが、ビットコインの場合は供給量が極めて少ないため、需要への影響との価格の動きが独特になります。限定されているという面では金によく似ていますが、ビットコインは貴金属に比べて、明確な発行上限があるという利点があります。

ビットコインは資産としての希少性が極めて高く、仮想通貨界のけん引役となってきたため、投資家は長期的に保有する傾向にあります。そのため、時間が経つにつれて、取引所からウォレットへ移動され、その後ビットコインは移動されにくくなっていきます。

このような動きが起きている間は、ビットコインの流通と分散化が改善されており、極端な強気市場をもたらします。グラスノード(glassnode)が提供するデータによると、10BTC以下のビットコインを所有する小口投資家の比率は、投資家全体の5.1%から13.8%へと増加しており、同時に100BTCから100,000BTCを所有する、いわゆるクジラの比率は62.9%から49.8%に減少しています。

クジラによる供給が少なくなることで、大口投資家が仮想通貨の価格変動に与える影響力も低下していきます。それは初期のビットコイン所有者と富裕層の元から、仮想通貨の分散化が一層進むことを意味します。

さらなる分散化と一部保有層の影響力低下が進めば、ビットコインはより安定した金融資産になるでしょう。しかし、ビットコインの安定は仮想通貨市場にとって、強気市場への移行とつながらないのかもしれません。

参考
BULLISH FOR BITCOIN: BTC SUPPLY SLOWLY SHIFTS FROM WHALES TOWARD SMALLER ENTITIES

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