12億円相当の仮想通貨を盗んだ男を逮捕、約1年に及ぶ捜査で

欧州刑事警察機構(ユーロポール)は1月23日、イギリスの組織犯罪対策機関が約1,000万ユーロ(約12億円)相当の仮想通貨の窃盗の他、詐欺とマネーロンダリングの容疑で36歳の男を逮捕したことを発表した。

盗まれた仮想通貨は約12億円

イギリスのオックスフォードにある家で家宅捜索が行われた後、男は逮捕された。また捜査によりコンピューターなど多数の電子機器の他、ドラッグや現金なども押収された。捜査は、世界中に85人以上いるとされている被害者らから、総額1,000万ユーロ(約12億円)相当のアイオタ(IOTA)を盗まれたことを受けて、2018年1月に開始されていた。

2018年初めドイツのヘッセン州警察に、ウォレットから仮想通貨が盗まれたと市民からの通報が複数あり事件が発覚。その後の捜査により、IOTAユーザーをターゲットにした詐欺の存在を確認した。

2国間の協力で逮捕に

IOTAのウォレットにログインするにはシードと呼ばれる81文字の長さの文字列が必要で、このシードはオンラインのシードジェネレーターで生成することもできる。同容疑者は、悪用する目的でこのシードジェネレーターを自身が運営するウェブサイトで運用していた。

このウェブサイトで被害者らが生成したシードは、同容疑者も保管できるようになっており、同容疑者は被害者のウォレットから資金を別のウォレットへと移動させていたとされている。

2018年7月に、ドイツの警察当局が容疑者がイギリスにいることを特定。その後、ドイツとイギリスの警察当局の間で証拠や情報の共有が行われ、今回の逮捕に至った。警察当局は、被害者は他にもいるし、仮想通貨の窃盗被害に遭った人は地元の警察に通報してほしいと呼びかけている。

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参考
EUROPOL

文:Akihiko Hirata(@akkyhira

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