ステーブルコインの需要急増、テザー(USDT)は時価総額3位に

最近の暗号資産(仮想通貨)業界の話題をさらっているのは、DeFi(分散型金融)です。DeFiプロジェクトの1つアーヴ(Aave/LEND)は、DeFiトークンとしては初めて、市場価格10億ドルを超えました。過熱気味のDeFi市場の人気はどこにあるのでしょうか?

DeFi需要増でステーブルコイン時価総額は1日当たり1億ドル増加

データ分析会社コインメトリクス(Coin Metrics)が公表した最近のデータによると、DeFi需要の高まりによって、ステーブルコインの需要も大きく伸びています。過去2カ月間にステーブルコインの連結時価総額は、1日当たり1億ドルずつ増加しています。

コインメトリクス共同創業者のニック・カーター(Nick Carter)氏は、この現象について次のように分析しています。

「誰もがDeFiに大いに興奮している。ステーブルコインは7月中旬以降、1日当たり1億ドルずつ増加していることを指摘する人は誰もいなかった。DeFiの利回り・金利が、大量のステーブルコインを吸いこいんでいる」

テザー(USDT)時価総額で3位に

ステーブルコインは、仮想通貨の中でも特にボラティリティが低く法定通貨に似た特質を備えています。そのため決済の分野でも人気があるとされています。DeFiブームを呼ぶ前から、ステーブルコインの需要は高く、特に仮想通貨の規整に厳しい中国などではテザー(USDT)の人気が突出しています。

ステーブルコインは、仮想通貨の中でも占有率が急速の伸びており、特にテザー(USDT)は、これまで時価総額3位だったリップル(XRP)をこれまでも何度も凌ぎ、脅かしています。9月10日時点で、USDTの時価総額は約144億ドルに対して、XRPのそれは109億ドルであり、その差は30億ドルをはるかに超えました。

時価総額・取引量ともこの2カ月で急上昇のテザー(USDT)

ステーブルコインは、DeFiプロトコル流動性プールの下で使用されているトークンの中でも人気が高まっており、ロックされた資金を引き付ける競争の中で、最も大きな利回りを提供しています。中でもDAIとUSDTは、レンディングプロトコルで最も貸し借りされているコインとなっています。

テザー(USDT)は依然として、ステーブルコイン市場の80%を占有しています。コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)のデータによると、7月15日時点で92億ドルだったUSDTの時価総額は、9月4日にはほぼ50%増の137億ドル余りになっています。USDTの取引量は同じ期間に150%増加して、219億ドルから540億ドルまで増えました。

イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は、ステーブルコインの有用性を認めながら国際的な決済手段として通用する前提条件として、「ステーブルコインは、現在利用されているさまざまな決済手段や送金手段と同等の規準が設定されるべき」と述べています。

参考
DeFi Demand Contributing Significantly to Stablecoins’ Dominance

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