イーサリアムのブロックが一時的にフォークし、オーファンブロックを生成。この影響でアルトコイン最大手取引所バイナンス(Binance)が一時ETHとERC20トークンの出金を停止、現在は復旧している。
イーサリアムの分裂
イーサリアムファンデーションの開発するイーサリアムクライアント”Geth”は、27日前にセキュリティ修正用のアップデート”Tupari v1.9.23″をリリース。このリリースではイーサリアムネットワークに携わる全てのノードにアップデートを推奨するものであった。
今回の一時的なイーサリアムチェーンの分裂は、このアップデートを行っていなかったことが原因であり、古いバージョンのGethを使用していたと見られるバイナンスなどの仮想通貨取引所やBlockchairなどのエクスプローラー、マイナーが引き起こしたことになる。
出典:Github
Infraの一部サービス停止
またIPFSベースでイーサリアムのAPIを提供する”Infra”のデータが遅延。イーサリアムデベロッパーによると、InfraやBlockchairがGethのアップデートを行っていなかったことにより、#11234873ブロックで一時的にオーファンブロックが発生した。
Etherscanや大多数のノードはGethを最新版にアップデートしており、イーサリアムではなくネットワーク参加者により引き起こされた事件であることがわかる。
(1/2) Ok, so what happened today on #Ethereum:
1. At some point Ethereum developers introduced a change in the code that led today to a chain split starting from block 11234873 (07:08 UTC)
2. Those who haven’t upgraded (@Blockchair, @infura_io, some miners, and many others)… pic.twitter.com/mbRYFU5tgn
— Nikita Zhavoronkov (@nikzh) November 11, 2020
オーファンブロックの影響
古いGethと最新のGethでは技術的に見るとコンセンサスアルゴリズムが変更されており、ハードフォークになったことが今回のオーファンブロック生成の原因となっている。30ブロックほど古いバージョンのGethで生成され、バイナンスやInfraがこの異変に気づきGethをアップデートしたことで問題は解決している。
CEOのCZによるとバイナンスは出金を再開しているため、一部のサービスプロバイダ以外は影響がない状態だ。
ERc20 tokens deposit and withdrawals resumed.
— CZ Binance (@cz_binance) November 11, 2020
このようなノードのアップデートミスはビットコインでも7年前に起きており、ブロックチェーン特有の事件だと言えるだろう。イーサリアム価格には大きな影響は見られていない。
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