イーサリアムの大型アップデート”ベルリン(Berlin)”で実装されるEIPが各クライアントによる実装が大方完了した。イーサリアム2.0と異なり並行開発されるベルリンアップデートは、2020年6月にクライアントのGethの開発遅れなどにより延期されていた。
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ベルリンのEIP
イーサリアム1.0のイスタンブールハードフォークに次ぐ大型アップデートであるベルリン(Berlin)は、当初の予定では
- EIP-2315:EVMのシンプルサブルーチン
- EIP-2537:BLS12-381曲線のオペレーション
- EIP-2046:静的コールをプリコンパイルしガスコスト削減
- EIP-2565:EIP-198ModExpプリコンパイルのコスト変更
のみがYOLOテストネット上で実装され、テストされる予定となっていた。だが最終的には大幅に内容が代わり
- EIP-2315:EVMのシンプルサブルーチン
- EIP-2565:EIP-198ModExpプリコンパイルのコスト変更
- EIP-2929:ステートにアクセスするオペコードのガスコスト引き上げ
- EIP-2718:新規トランザクションタイプ追加時の定義負担減少
- EIP-2930:アクセスリストを含む新規トランザクションタイプの追加
となっており、元の提案から残ったのはEIP-2315とEIP-2565のみとなっている。EIP-2537のBLS署名の追加は、イーサリアム2.0のステーキング時に各自がETH1ノードを建てることが必須となったため、見送られたと見られるだろう。
イーサリアムクライアントの実装状況
2021年1月現在のベルリンのEIP実装状況は下記のようになっている。GethがEIP-2930の実装がまだされていないものの、BesuやNethermind、OpenEthereumなどの主要クライアントは5つのEIPを全て実装が完了している。
再度Gethの開発が遅れている状態だが、ベルリンの実装は2021年内には問題なく行われるだろう。
出典:Github
ハードフォークの今後の予定
GethがEIP-2930を実装した後、ベルリン実装の予定としては、
1.テストネットのハードフォーク
2.メインネットでの実装ブロックの決定
3.クライアントリリースでハードフォーク準備
となる。あくまでテストネットのハードフォークでバグなどが見つからない場合、2021年中頃にはベルリン実装が可能となるだろう。ここでいうテストネットとは、Goerliやロプステンなどのコントラクトテストなどを行うテストネットであり、ベルリンのテスト専用のYOLOテストネットではない点に注意したい。
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