ビットコイン(BTC)がナイジェリアで800万円超え?市場価格を50%以上上回る異常高騰

国際市場より50%も高いナイジェリアのBTC相場

アフリカ最大の経済規模を誇るナイジェリアでは、2月5日に中央銀行が国内の金融機関に対して、ビットコイン(BTC:Bitcoin)の全面取引禁止を通告しました。国内の暗号資産(仮想通貨)取引所へのすべてのサービスを禁止することと、仮想通貨関連企業の口座を停止するという厳しい内容です。

しかし、現在もナイジェリアではビットコインが、国際市場価格を52%も上回るプレミア価格で盛んに取引されています。その背景にあるのは極めて不安定な通貨ナイラ(NGN:Naira)と、常にインフレ傾向にある国内経済への不信感です。

現在ナイジェリアでは、仮想通貨取引プラットフォームのルーノ(Luno)などを中心に、通常よりもはるかに高い価格でビットコインが取引されています。国際市場での価格が約52,000ドル(約549万5,400円)であるのに対し、ナイジェリアでの価格は78,000ドル(約824万3,000円)以上となっています。さらに指数関数的に値上がりしているようにも見え、直近のわずか2日で、ナイジェリアのプレミア価格は36%から52%に急騰しています。

ナイジェリアでは自国通貨に対する信頼性が低いため、それよりも安全な資産としてビットコインが利用されています。企業間での国際取引でも利用されていますが、このプレミア価格には、P2P取引(Peer-to-Peer)の増加が影響を与えているようです。

仮想通貨取引所のナイジェリア参入

ナイジェリア中央銀行が銀行他金融機関に仮想通貨取引をストップさせたことで、銀行は仮想通貨取引所との連携を断ち切られ、フィンテック企業も仮想通貨関連サービスを停止しましたが、その状況下で主流になったのがP2P取引です。

現在、P2P取引の利用がアメリカに次ぐ世界第2位となったナイジェリアでは、中央銀行による仮想通貨の取引禁止措置でさえ、ほとんど妨げにはなっていません。P2P取引プラットフォームでの取引総額は飛躍的に伸びており、仮想通貨業界大手企業もナイジェリア市場への参入を画策しています。

最近ではバイナンス(Binance)でも、ナイジェリアの法定通貨ナイラ(NGN)と仮想通貨の取引ペアを新設し、高速モード(Express mode)というサービスを開始しました。Express modeでは、ナイラと仮想通貨を交換するための顧客確認(KYC)が必要であるものの、取引手数料がかからなくなっています。

ナイジェリアにおけるビットコイン

その他の取引所もバイナンスと同様のサービスを開始することが考えられ、ビットコインの取引を促進する可能性はあります。ただ、若年層が多いナイジェリアでは、ビットコインは単なるデジタル資産としての価値にはとどまっていません。

「End SARS(警察特殊部隊に対するデモ)」が起きた際においても、Twitterの最高経営責任者(CEO)のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏などがTwitter上で支援の寄付を呼びかけ、その寄付がビットコインと法定通貨で行われました。

このようなナイジェリアの国内事情を反映して、中央銀行による禁止措置以降も、ナイジェリア国内では活発なビットコイン取引が行われているのです。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Bitcoin Price Now Stands at $80,000 in Nigeria

【こんな記事も読まれています】
「ビットコイン(BTC)を保有しない企業は無責任」米国の投資情報番組で司会者が大胆発言
ビットコイン(BTC)ピークは数年後で価格は20倍に?バイナンスCEOが予測
知らないと損!仮想通貨取引所で発生している「手数料・見えにくいコスト」とは?

おすすめの記事