- 米機関投資家向け仮想通貨商品の人気拡大
- 米国の機関投資家向け仮想通貨商品の出来高比率が4ヶ月連続で上昇していることが仮想通貨企業Diar社の調査で判明した。米国からの仮想通貨出来高が減少する中、CMEが提供するビットコイン先物商品の比率が高まってきている。
CMEのビットコイン先物、米機関投資家に人気拡大か
仮想通貨調査企業のDiar社が、最新のレポートを公開した。米国からの出来高は、昨年11月以降減少が続いている中、アメリカの機関投資家を対象とした商品の人気度が4ヶ月連続で上昇していることが判明している。
Diar社が米国で機関投資家向けのビットコイン商品の出来高やマーケットシェアを調査したところ、アメリカからの取引量は11月から5ヶ月連続で減少していることがわかった。
仮想通貨市場の月別の出来高は、18年11月の74億ドル(約8200億円)を最後に徐々に減っている。この背景には「仮想通貨の冬」と称される弱気相場の長期化や仮想通貨のボラティリティ低下が挙げられるだろう。
しかしそのような中でも、今年2月頃からバイナンスコインやトロン、ライトコインやイオスなどのアルトコインを主動とした上昇の動きが散見された。
そして4月2日にビットコインが50万円を突破したことで仮想通貨市場全体に熱気が戻り全体的な上昇を記録。先日公開したマーケットレポートでも解説した通り、仮想通貨市場は昨年11月以来、5ヶ月ぶりに時価総額20兆円に復帰している。
上述した通り、仮想通貨のみならず世界経済においても主要マーケットである米国からの出来高自体は減少しているが、そのような中でも機関投資家を対象とした商品のマーケットシェアは4ヶ月連続で上昇していることがわかった。
Diar社は、このような商品として世界でも有数の仮想通貨投資企業であるGrayscale社が提供するビットコイン商品「Grayscale Bitcoin Trust」や、CMEやCboeのビットコイン先物取引商品を掲載。「機関投資家向け商品」の市場比率が仮想通貨取引所の出来高を含む総取引量に対して約19%に相当するとしている。
またこれらの機関投資家サービスの中も世界有数のオプション取引商品を提供するCME(シカゴマーカンタイル取引所)が市場シェアを伸ばしていることが伺える。
さらに3月中旬にビットコイン先物取引を一時見送りする方針を表明しているCboe(シカゴオプション取引所)は 12月以降シェアが減少。
Cboeのビットコイン先物取引停止の理由にはCMEに比べて出来高が伸び悩んでいたことが考えられる。データサイトTradeBlock社が公開していた両社のビットコイン先物取引の出来高を比較するとその差は明白だ。
CMEは2018年の8ヶ月においてそれぞれ月間取引量20億ドルを突破していた中、Cboeは最高の出来高を記録した1月でさえ20億ドルを上回ることが出来ていなかった。
またビットコイン信託商品・サービスを提供するGrayscale社は2018年初旬は50%以上のマーケットシェアを有していたが、現在は20%台まで停滞。
しかしその一方でGrayscale社が行なった調査によると、2013年から経営を続けている同社にとって2018年は過去最高の3億5950万ドル(約397億円)を調達するほどの良い一年だったことがわかっている。
仮想通貨の出来高は全面的に減少傾向にあるが、その一方で機関投資家からの買いが徐々に見られていると言えるだろう。