欧米や中国ではすでにキャッシュレス化が浸透しており、日本ではまだまだ現金決済する方が多いかもしれませんが、2019年10月から消費税が10%に上がったタイミングで政府がキャッシュレス化を大きく推進していく動きがあります。
カード決済やスマホ決済することによって減税処置がとられるといった優遇制度がひかれているのです。
そういった動きも踏まえてますます日本もキャッシュレス決済が当たり前のようになっていくと予想されています。
デビットカードとは?クレジットカードとの違い
キャッシュレス決済についてあまり詳しくない方のためにも、まずはクレジットカードとデビットカードの違いについて解説します。
クレジットカードとデビットカードは、確かに似たような使い方をする部分もあるのですが、最大の違いは「引き落としのタイミング」です。
クレジットカードはカード会社によって締め日と引き落とし日が決まっているために、それまでの間はたとえ銀行の口座にお金が入っていなくても使うことができます。
そのため使いすぎてしまうと引き落とし日にお金が足りないという事態に陥ることがあります。
しかし、デビットカードの場合は使用すると即時に銀行口座から引き落としがかかりますので、銀行口座に入っている分しか使用することはできません。
そのため使いすぎてしまうということはないのです。
日本では圧倒的にクレジットカードの方が普及していますが、海外ではデビットカードの方が普及している地域があるほどです。
デビットカードには2種類ある
そんなデビットカードには大きく分けると2種類あります。
1つは「J-Debitのデビットカード」と呼ばれるもので、日本の約1100もの金融機関が発行しているキャッシュカードにJ-Debit機能をつけたもので、キャッシュカードがそのままデビットカードして使用できるという便利さがあります。
扱っている金融機関も多いのですが、最大の弱点は「国内のみの使用で、海外では使用できない」ということです。そのため海外旅行などで使用するのであれば、もう一方のデビットカードを使わなければいけません。
そのもう1つというのが「ブランドデビット」と呼ばれるものです。
VISAやJCBのデビットカードは海外でも利用できるという強みがあります。
一般的なシェアの大きさから言えばVISAの方が使いやすいかもしれません。
デビットカードの使い方
デビットカードの使い方は、大きく分けて「決済手段として使用する」か「海外ATMで現地の通貨を引き出す」の2通りあります。
デビットカードによる支払い方法
海外でデビットカードを使用するときにはいくつか注意しなければいけないこともあります。
ここでは2つのパターンでの支払いについて紹介していきます。
実店舗でデビットカード支払い
国内で使用する際は、「VISA」や「JCB」といった国際ブランドのマークがついている店舗であればクレジットカードと同じように使用できます。
海外の店舗で支払い方法を聞かれた際に「デビットカードで」と伝えると現地の銀行が発行して連携しているデビットカードと判断されてしまうことがあり、この場合は支払いができないことになるので注意してください。
例えばVISAのデビットカードで支払いを行う場合は「VISAで1回払い」ということを伝えると問題なく支払いができます。
また、レジなどで「クレジット」か「デビット」かを選択する場合は「クレジット」を選ぶことになります。この場合も「1回払い」を選択しましょう。
インターネットでデビットカード支払い
ネットショッピングなどを行った際には支払い方法でカード支払いを選んで、情報入力欄にデビットカードのカード番号を入力すれば大丈夫です。
この場合「1回払い」しか利用できませんので注意しましょう。
デビットカードで海外ATMから現地通貨を引き出す
海外旅行などで現地通貨が不足しても、デビットカードがあれば両替いらずで安心。海外のATMを使って現地の通貨を引き出す方法を解説します。
まずは、そのカードが提携しているATMを探してください。
VISAカードであれば「Visa」「PLUS」というマークがあるATMを利用することができます。
できれば安全のために屋内で人通りが多い場所のATMを利用するようにしましょう。
そこからの使用手順は以下の通りです。
- カードを入れると言語選択をする画面になる
- 暗証番号を入力する
- 取引を選択する画面になるので、「引き出し(WITHDRAW)」を選びます。
- 口座を選択する画面になるので「預金(SAVING)」を選択します。
- 金額を選択する画面になるので金額を入力していきます。
- レシートが必要かどうか聞かれるので、それに答えれば完了です。
デビットカードが使えるお店・場所
国内でも海外でも、ほとんどのお店でデビットカードは使えるようになっています。
JCBデビットであれば「JCB」または「Cirrus」のマーク、Visaデビットであれば「VISA」または「PlUS」のマークが目印です。
海外でデビットカードが使えない例としては「ギャンブル目的」が挙げられます。
そのほか、ガソリンスタンドなどでそれぞれの国独自の個人認証が行われる場合は利用できませんし、高速道路料金などでも使えない場合があります。
その国によって事情が異なるため、不安な場合は事前に調べておく方が良いでしょう。
デビットカードの利用限度額
海外でデビットカードは利用限度額が決まっています。
これはそのデビットカードの利用限度額とは別のものですので注意しましょう。
海外ATMの利用限度額は「1日あたり最大20万円」となっています。
また、この場合の「1日あたり」は日本時間の0時~24時までを1日として考えます。
そのうえで実際に使用できる利用限度額は、そのデビットカードの「利用限度額」と「海外ATM限度額である20万円」の低い方が適用されることになります。
例えば所持しているデビットカードの限度額が10万円だった場合は海外での利用限度額は10万円になりますし、利用限度額が50万円のデビットカードであれば海外での利用限度額は20万円ということになります。
こちらは国内の場合は、デビットカードの限度額か銀行口座に入っているお金が限度額ということになります。
デビットカードの暗証番号とセキュリティコードについて
海外のATMでデビットカードを利用する場合には、そのデビットカード用の暗証番号が必要となります。
また、ネットショッピングを行う際にカード番号などとともに「セキュリティコード」が必要になる場合があります。
これはそのカード番号が本物であることを証明するためのもので、たいていはカード裏面の右上に「3ケタ」で印字されている数字になります。
ただしこれらを使用したとしても海外のATMで入金や残高照会を行うことはできません。
カード利用から引落までの流れ
デビットカードは支払いをすると同時に指定されている銀行口座から引き落としがされるため、銀行口座から現金をいちいち引き出さずに支払いができるようになっています。
そのため手間がかかりません。
残高不足で使えないときはどうしたらいい?
デビットカードはシステム上は基本的に残高不足になりにくいシステムなのですが、たとえばガソリンスタンドなどで先にカードを入れて給油をしたときなどは残高を超えて給油してしまうことがあります。
この場合はデビットカードを発行している会社が一時的に立て替えて支払いをしている状態ですので、できる限り早く口座に入金をする必要があります。
金融機関が指定している日を過ぎても入金しない場合はカードが利用停止になる可能性があります。
デビットカードで購入した商品をキャンセル・返金する方法
口座から支払代金が引き落とされたあとでその商品をキャンセルした場合は、それぞれのカード会社から返金が行われます
デビットカードの使い方をマスターしよう!
デビットカードは「使いすぎない」「現金を持たなくても良い」というメリットのためキャッシュレス化が進む日本でも広がりつつあるカードです。
まだ持っていないという人はぜひ試してみましょう。