センタリング

クリプトパンクス(CryptoPunks)として知られるNFT(Non-fungible tokens:非代替性トークン)がローンチされてから4年以上が経ちますが、マーケットでは依然として過熱状態が続いています。中国の仮想通貨メディア、ウー・ブロックチェーン(Wu Blockchain)のレポートによると、中国の投資家たちはNFTへ熱狂的に投資しているようです。

中国国内で過熱するNFT投資

アプリ開発大手のメイツ(Meitu)社創業者であるカイ・ウェンシェン(Cai Wensheng)氏と、個人投資家のフェン・ボー(Feng Bo)氏は、クリプトパンクスのNFTをそれぞれ購入しています。
ウェンシェン氏はクリプトパンクスNo.8236を125ETHで、ボー氏はNo.7252を1,600ETHで購入しており、ボー氏の購入額を換算するとおよそ533万ドル(約5億8,600万円)になると報じられています。

中国国内において、メイツ社は初めて暗号資産(仮想通貨)への投資を開始した一社で、これまでに大量のビットコイン(BTC:Bitcoin)とイーサリアム(ETH:Ethereum)を購入しています。さらにメイツ社はイーサリアムへ高い期待を持っているようで、創業者がクリプトパンクスを購入したことは、同社のイーサリアムに対する前向きな姿勢の現れと感じられます。

中国企業のNFT本格参入

ドルチェ(Dolce & Gabbana)やフェイスブック(Facebook)、アウディ(Audi)など世界の名だたるブランドが、過熱するNFT市場に参入する中、メイツ社も中国企業の1社としてNFT関連事業を行っています。

数日前には中国のアリババ・グループ(Alibaba)が、独自のNFTマーケットをローンチしました。これにより数百万という国民がNFTへ参入する可能性が生まれています。

アリババはブロックチェーンを用いた新たなシステムを通じて、国内の著作権問題を解決しようとしています。この動きはNFTへのさらなる投資を促し、クリエイターや消費者、そして業界すべてに利益をもたらすことになるかもしれません。

世界中に広がるNFTへの投資熱

8月18日にも決済サービス大手のビザ(VISA)も、No.7610のクリプトパンクスを約15万ドル(約1,650万円)で購入したことが確認されています。

同社仮想通貨部門トップのカイ・シェフィールド(Cuy Sheffield)氏は、NFTマーケットの発展によって、NFTが世界規模になるVISAのグローバルネットワークと仮想通貨エコシステムとの橋渡しになると述べています。さらに、いずれ多くの大手企業がNFTに参入し、クリプトパンクスは自社のブランド力を示すものになることに期待しているとも述べました。

投資企業コインシェアーズ(CoinShares)社CSO(最高戦略責任者)のメルテム・デミロス(Meltem Demiros)氏は、中国だけでなく世界的に広がるNFTへの投資熱は、富裕層に支えられている可能性があると指摘しました。

彼が提供したデータによると、高額嗜好品の市場は拡大しており、NFTは特別に裕福な人々が、自身の地位を自慢するための道具となっているようです。

また、デミロス氏によると、若い世代もデジタル資産を欲しがっており、彼らのような「デジタル消費者」は、さまざま利用方法が存在する希少資産のNFTを好んでいるとのことです。

同氏はブランド品とNFTとの違いとして、「バッグや時計、シューズなどとは異なり、ステータス・シンボルとしてのデジタル資産は分割して共有することができる。今後はオンチェーンでの金融市場の担保としても使われるだろう」とNFTが今後どのように使われているかについての考察も述べています。

参考
Why Are The Chinese Wealthy Infatuated With CryptoPunks?

【こんな記事も読まれています】
お寿司のNFTも?nanakusaが創るアーティストエコノミー
NFTはマネーロンダリングの道具なのか?人気アナリストが今後の法規制について言及
香港証券上場企業メイツ、追加でビットコインとイーサリアム約53億相当購入

おすすめの記事