仮想通貨市場への参入強化を進めるナスダック、ビットコイン(BTC)のインデックス提供など

世界最大のベンチャー(新興企業)向け証券市場ナスダック(Nasdaq)が、仮想通貨ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のインデックスを2019年2月25日から提供することになりました。

ビットコイン・リキッド指標(Bitcoin Liquid Index=BLX)とイーサリアム・リキッド指標(Ethereum Liquid Index=ELX)の2つで、米ドル建てでそれぞれ1BTCと1ETHの価格に対するリアルタイムのスポット・レート(直物レート)とリファレンス・レート(参照レート)です。指標はそれぞれの市場の最も流動性の高い結果に基づいて発表されます。

ナスダックのGIDSにビットコインとイーサリアムの2指標追加

ナスダックの発表によると、BLXとELXは多くの取引所からのデータを元に、トレーダーが特定のポジションに入ったり、抜け出したりするのを支援することになり、BLXとELXの単一の価格ポイントを提供します。BLXはトレーダーの間で最も広く参照されているBTCインデックスの中の1つであり2010年まで、ELXは14年までさかのぼって計算されています。

2つのインデックスは、仮想通貨市場データの分析企業Brave New Coinが作成しています。ナスダックがこの指標を発表するのは、ウォールストリートなどの伝統的な株式市場投資家に仮想通貨を紹介する重要な動きの1つです。インデックスは、ナスダックのグローバル・インデックス・データ・サービス(GIDS)のデータフィードを参照している顧客向けに配信されます。

ナスダックのこのデータサービスは、すべてのナスダック指標と第三者パートナーのデータを含む上場投資信託(ETF)評価データを一元管理するリアルタイムのフィードです。

仮想通貨ビジネスに強い関心示す新たな1例、ヴァンエックとのETF上場も

ちなみにGIDSは、ナスダック100やナスダック総合指標(Nasdaq Composite)など、4万に及ぶインデックスを提供しています。2つの指標は、IOSCO(証券監督者国際機構)の「証券規制の目的と原則」などに規定されている法的拘束力のない原則や指針、基準などに準じて計算されています。

ナスダックは最近、仮想通貨ビジネスに強い関心を示しています。最近の好例は、米投資企業ヴァンエック(VanEck)と提携して、ビットコイン上場投資信託(ETF)の上場計画を米証券取引委員会(SEC)に提案しました。ナスダックの後ろ盾のあるヴァンエックのETF上場は、数ある申請の中で最も有望なプロジェクトとして、認可待ちの状態です。

ナスダックはさらに1月、ブロックチェーン・スタートアップ企業シンビオント(Symbiont)の2,000万ドル(約21億8,000万円)のBシリーズ資金調達を主導して、本格的に仮想通貨市場に参入しました。

ナスダックは機関投資家を視野に仮想通貨市場に参入

ナスダックは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に次いで、資産価値で世界第2位の証券取引所です。ナスダックには、3,400余りのベンチャー企業が登録しており、その時価総額は10兆ドル(約1,100兆円)にもなります。

仮想通貨は、取引所の取引拡大から恩恵を受けます。ナスダックの取引を支配する機関投資家による受け入れは、仮想通貨が金融の表舞台に立ち、取引が増大する大きな一歩となります。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート
イーサリアム(ETH)の価格・相場・チャート

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参考
NasdaqTrader.com
News Bitcoin.com

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