欧州の仮想通貨市場が約100兆円へ、2020年7月からの驚異的な成長

仮想通貨の調査などを行っているチェイナリシス(Chainalysis)が9月28日、「分散型金融(DeFi)の波が中央・北・西ヨーロッパ(CNWE)を世界最大の仮想通貨経済に変えた」というレポートを発表した。このレポートの中で同社は、2020年の1年間でCNWEに1兆ドル(約110兆円)相当の仮想通貨の流入があったと発表した。この金額は、世界全体での活動量の25%に相当するという。

ヨーロッパで仮想通貨のトランザクションが急増

今回のレポートの中でチェイナリシスは、世界の地域による仮想通貨のトランザクション量の変化について言及している。2019年4月から2021年6月までの仮想通貨のトランザクション量を地域ごとに見ると、2020年6月以前は東アジアが全体の約30%を占めてトップだった。しかし2020年6月に20%未満まで下落し、世界3位になっている。2020年6月以降も20%を超えることはなく、順位も3位、4位となった。

一方、同時期にトップに立ったのがCNWEだった。2020年6月以前は20%弱のトランザクション量だったが、2020年6月に20%を突破。それに合わせて世界1位となっている。

大規模な取引を行う機関投資家が流入

チェイナリシスは、CNWEでのトランザクション量が2020年7月から驚異的に成長した要因について、DeFiプロトコルでの増加が目立ったと分析。さらに、大規模な取引を行う機関投資家の流入、個人投資家の活動も増加していることを報告している。

今回のレポートには、2019年4月から2021年6月までのCNWEにおける送金によるトランザクション量の変化を示したグラフを公開している。このグラフによると、2020年下半期に大規模な機関投資家によるトランザクションが増加しており、2021年1月には全体の25%以上に達している。その後も機関投資家によるトランザクションは増えており、2021年6月には大規模な機関投資家だけで全体の50%を占めている。

また、大規模な機関投資家が使用している仮想通貨サービスに関するグラフでは、取引所、Defi、その他の割合を2020年7月から月ごとに示している。2020年7月ではDeFiの占める割合は50%弱だった。しかし、2021年6月にはDeFiの占める割合は75%以上まで増加している。なお、CNWEでの国別の仮想通貨を受け取った量の比較では、1位がイングランドで1,700億ドル(約19兆円)で、2位以降はフランス、ドイツ、オランダ、スペインと続いている。

参考
DeFi Whales Turned Central, Northern & Western Europe into the World’s Biggest Cryptocurrency Economy

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