ポリゴン(Polygon)は12月10日、ゼロ知識証明開発のパイオニアチーム「Mir Protocol (ミア)」の買収を発表しました。ドルとMATICトークン合わせて約4億ドル(約450億円)の大規模な買収です。ポリゴンがゼロ知識証明の領域に10億ドルコミットすると表明した後、Hermez Network(エルメス)買収、EYとの共同プロジェクト、Miden(マイデン)に続く取り組みです。
「Polygon Zero」としてエコシステムに統合
ゼロ知識証明は、1回の小さなデータの検証で、たくさんのイーサリアムのトランザクションの検証を1度にできるため、スケーリングソリューションへの活用が進んでいます。しかし、これまでゼロ知識証明の生成には時間がかかっていた部分が課題となっていました。ミアは、再帰的証明を従来のものよりも速く生成することができ、問題を解決しています。
今回の買収により、ポリゴンはトップクラスのゼロ知識証明のプロダクトと優秀な人材をチームに引き入れており、Googleでのエンジニアリングを行っていたメンバーや、バークレーやEPFLなどの暗号領域においてトップクラスの研究機関で数学やクレデンシャルについて博士号研究を行ったメンバーが揃っています。
今後Mirは「Polygon Zero」という新しい名称で、「Polygon PoS」「 Polygon SDK」 「Polygon Avail」「 Polygon Nightfall」「 Polygon Hermez」「 Polygon Miden」などの既存のPolygon ソリューションとともに、エコシステムに統合されます。
業界全体にとって大きな前進
「Mir」の共同設立者ブレンダン・ファーマー(Brendan Farmer)氏は今回の買収について、「ポリゴンに加わることは、イーサリアムのスケーリングに向けて取り組む上で、素晴らしい機会となります。ポリゴンは、この分野で最も成功しているチームの一つであり、イーサリアムのスケーリングソリューションとしてゼロ知識証明に取り組む姿勢に感銘を受けています。ビジョンの実現に向けて、当社の世界クラスのチームと技術で貢献できることを非常に嬉しく思っています」とコメントしています。
ポリゴン共同創業者ミハイロ・ビェリック(Mihailo Bjelic)氏は「高いスケーラビリティを持つソリューションを構築するためには、パフォーマンスの高い再帰的証明システムが必要不可欠でしたが、存在してませんでした。しかしイーサリアム上で検証可能な桁違いに高速な再帰的証明システムを導入できるようになりました。これは業界全体にとって大きな前進になると考えています」と延べています。
参考
・Polygon Takes A Major Lead In ZK Rollups; Welcomes Mir, A Groundbreaking ZK Startup In A $400M Deal
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