ビットコイン(BTC)の取引が急増するベネズエラ、2019年はすでに70億円以上

政治と経済が不安定な国において、ビットコイン(BTC)のP2P取引が可能なプラットフォームのローカルビットコイン(LocalBitcoins)上での取引が急増している。特にベネズエラでの取引量の増加が顕著となっている。

ビットコイン(BTC)の取引は1年で約10倍に

調査会社コインダンス(Coin Dance)のデータによると、2019年1月1日からベネズエラのローカルビットコインで取引されたビットコインの総額は約1,600億ボリバル(約70億円)に達している。3月2日から6日までだと、約8億4,700万円に相当する1,953BTCが取引されている。

ベネズエラでは2018年からローカルビットコインを通じた取引が着実に増加しており、2019年2月の週間平均取引量は過去最高となる2,000BTCとなっていた。2018年の1月の週間平均取引量は約217BTCで1年間で10倍も増加していたことになる。

このようなベネズエラの状況について、ハイパーインフレーションにより同国の法定通貨であるボリバルの価値が失っていることにより国民がビットコインをはじめとする仮想通貨への投資に動いているとの見方もある。

ビットコイン(BTC)で解決できない問題

その一方で、仮想通貨メディア「CriptoNoticias」の編集長を務めるベネズエラ在住のJosé Rafael Peña Gholam氏は、メディアが報道するほど同国でビットコインは普及していないと主張している。 Gholam氏はLongHashに寄稿した記事で、「(経済や政治、社会などの)混乱がベネズエラにあるにもかかわらず、国民の多くは政治的な争いに関与していない。彼らは生き抜くために必要なお金を得る方法を見つけることに集中しているだけだ」と述べている。

Gholam氏はベネズエラの現状について、「これまでにないほど食料のためにごみ箱をあさり、路上で生活する人が増えている。公衆衛生は日々悪化しているが、ビットコインはこれらの問題を解決しないだろう」と主張している。

同時に同氏は、国民のなかにはこういったベネズエラが直面する危機を切り抜けるために仮想通貨を積極的に使用する人がいることは事実だとし、ビットコインがライフラインになるとの考えを持っていることを明らかにしている。その上で、「ベネズエラでビットコインが人気だと誇張するのはやめよう。そして、あなたの仮想通貨のキャンペーンに人々の注意を向けるために私たちの危機を利用しないでもらいたい」と同記事で述べていた。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

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参考
LongHash
Coin Dance

文:Akihiko Hirata(@akkyhira

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