- ブロックチェーン・スマートフォン「FINNEY」
- ベンチャー「Sirin Labs」が発売した、世界初となるブロックチェーン・スマートフォン「FINNEY」。気になるスペックや特徴など、それら詳細をレビューした。
「FINNEY」レビュー
「FINNEY」は、スイス、イスラエルに拠点を置く企業「Sirin Labs」がリリースしたブロックチェーン・スマートフォンだ。
以前「Sirin Labs」は、ベンチャー基金を利用し約77億円を調達し、「軍用並み」のセキュリティを売りにしたスマホ「Solarin」を150万円の価格で発売している。
その様なセキュリティに「Sirin Labs」が新たに発売にしたのが、ブロックチェーン「FINNEY」で、仮想通貨を保有する際のセキュリティに特化した設計となっている。
「FINNEY」スペック概要
サイズ | 縦幅: 158.5mm、横幅: 74.6mm、厚さ: 9.3mm |
---|---|
CPU | 2.8 GHz octa-core(8コア) Kryo 385 |
RAM | 6GB |
ROM | 128GB |
バッテリー | 3280 mAh |
WiFi | a/b/g/n/ac |
画素数(out) | 1,200万画素、f/1.8 |
画素数(in) | 800万画素、f/2.2 |
解像度 | 1080×2160ドット |
これらのデータをみると、高性能なスマホと遜色のないスペックであり、かなりセキュリティに特化したデザインとなっている。「FINNEY」には様々な特徴が備わっているが、特に注目すべき点は以下の4点だろう。
(1) 内蔵コールドウォレット
(2) 安全性を高める独自のOS
(3) 高水準セキュリティ
(4) dApps用ストアの提供
(1) コールド・ストレージ・ウォレット
FINNEYには、仮想通貨をインターネットから隔離された状態で保存するためのコールドウォレットが備わっている。本体裏側の部分をスライドすると、有線でネットに接続された状態となり、コールドウォレットに接続ができる。
スライドされた画面では、保管されている仮想通貨の金額などを確認することができる。
(2) 独自OS「Sirin OS」
FINNEYは、AndroidベースのOSと独自の「Sirin OS」の二つが併用されている。
コールドウォレットを操作する際の機能に関しては、SirinOSが担っている。例えば、キーボードでのキー入力を監視して、入力されたパスワードなどを記録する「キーロガー」への対策などだ。この独自OSによりセキュリティが担保されている。
(3) 高水準セキュリティ
マルチレイヤーサイバースイートを搭載し、機械学習を用いたユーザー行動分析、侵入防止システム(IPS)によってリアルタイムのサイバー攻撃対策を実現しているとしている。
(4) dApps用ストアの提供
「FINNEY」独自の分散型アプリ用のアプリストア「dCenter」があり、現在16アプリが利用可能となっている。ストア上では、ポケモンGOのようなAR技術を用いて開発されたゲームなども存在している。
既存の仮想通貨用コールドウォレットに比べ、このスマホに搭載されているウォレットは、トークンへの交換が容易であることから、dAppsの利用がより手軽となっている。
将来、dAppsの普及が期待されるが、そのためには、簡単で安全な仮想通貨の管理や、容易に仮想通貨を利用できる環境が求められる。
そんな中、この「FINNEY」が誕生したことで、ブロックチェーン技術のさらなる普及が期待できるかもしれない。
CoinPostでも実際にウォレットをアクティベートしてみた
CoinPostでも、実機を入手し、新たにブームになりつつあるブロックチェーンスマホがどの様なものなのか、利用してみた。
利用してみた感想では、使用感は全く他のスマホと変わらないが、以下の3点が大きく異なる点として挙げられた。
- ハードウォレットは、外付けの感覚
- セキュリティソフトなどが、初期機能としてある
- 仮想通貨ユーザー用に、初期APPが完備されている
ハードウォレットは、外付けの感覚
まず、今回のフィニーで重要なハードウォレットだが、ウォレットの送受信などはスマホ画面で操作可能であるものの、ウォレットのアクティベートなど、上部に内臓されているハードウォレットについてるタッチスクリーンで行う必要がある場面がみられた。
他のウォレットに例えると、レジャーナノにスクリーンがついているが、PCに接続させるとPCの画面でも利用が可能となる事に似ている。
様子に、完全にウォレットは独立している可能性が高く、まさに「スマートフォン+ハードウォレット」といったイメージだ。
また、利便性と安全性を両立する仕組みを構築したセキュリティシステム「BlcokShield」によって管理されている解析不可な領域にウォレットを埋め込んでいることが特徴であり、やはりこれまでのアプリで秘密鍵がそのままAPP内に残るタイプとは、大きく異なるセキュリティを実現しているといえる。また、「指紋+ロックパターン+行動要因」を統合している『3要素認証』も採用しており、その点でも安心できる。
セキュリティソフトなどが、初期機能
セキュリティソフトに関しても、初期搭載されており、ウォレットや、スマホのセキュリティを担保する仕組みも、初期設定で備わっている。
仮想通貨ユーザー用に、初期APPが完備
初期APPに、仮想通貨ユーザーに合わせたAPPが初期ダウンロードされている点も、仮想通貨初心者ユーザーでも利用しやすい点の一つだ。
これは、ニュースサイト「CoinTelegraph」などのアプリが搭載されている。
特に重要となるのがdApps領域で、これまでのハードウォレットでは実現できなかったセキュアなウォレットとゲームの利便性が合わさったdAppsライフが体験できる。
現状では、ハードウォレットの対応通貨がBTC、ETHとシリントークンに限られているが、対応通貨拡充や、dAppsなどのトークン表記にも対応した場合、dAppsユーザーから高い支持が得られるのではないだろうか?