どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。世界最大手の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)が2023年6月に上場投資信託である「ビットコイン現物ETF」の申請準備をしているというリークの後、正式に米国証券取引委員会(SEC)に申請を行いました。

本稿ではこのブラックロックのビットコイン現物ETF(Bitcoin Spot ETF)が2023年7月現時点で承認される可能性があるのかについてわかりやすく解説を行います。

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ビットコイン現物ETFを続々申請

ブラックロックは米国でまだ1例も承認されていない「ビットコイン現物ETF(Bitcoin Spot ETF)」を申請準備をしているというリーク報道の後、米国証券取引委員会(SEC)に正式に申請を行いました。同社は運用資産1443兆円を超える資産運用会社として世界トップレベルであり、2位にはバンガード・米国高配当株式ETF(VYM)やバンガード・S&P500ETF(VOO)などで知られるヴァンガードグループ、3位にウィンクルボス兄弟のジェミニ(Gemeini)と提携しているステート・ストリート、4位に2018年から仮想通貨事業に参入しているフィデリティと続くことで知られています。

ブラックロックに続いてフィデリティも2回目となるビットコイン現物ETFを6月に申請しており、多くのファンドがこぞって米国初の「ビットコイン現物ETF」承認へと走っているのです。

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ビットコインカストディの問題が1つの課題か?

ブラックロックのビットコイン現物ETFでは米最大手仮想通貨取引所であるコインベース(Coinbase)と提携し、ブラックロックのビットコイン現物ETFである「アイシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iSHARS BITCOIN TRUST)」の運用するビットコインを保管するカストディアンとして記載されています。

一方でコインベースは米国証券取引委員会(SEC)により「証券取引法違反」でバイナンスと同様に提訴されており、SECがブラックロックの「アイシェアーズ・ビットコイン・トラスト」の審議を行うことを考慮すると分が悪い状態であると言えるでしょう。さらに追い打ちをかける事例としてはステーブルコインのTUSDを発行するトゥルーUSD社(True USD)の発行提携先であるカストディアンのプライムトラスト(Prime Trust)が2023年6月23日に事実上の破綻となっており、ネバダ州当局によると顧客資産を100億円以上使い込んで出金対応していたことが判明しているのです。

仮想通貨取引所に明確な規制がないことやSECの一連の訴訟を考慮すると、このプライムトラストのカストディアンとしてはあるまじき行為はSECの心象を悪くするファンダメンタル的用意であると考えられるのです。

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ブラックロックのETF承認率の高さは根拠にならない

ブラックロックのビットコイン現物ETF承認が期待される理由として、「これまでにブラックロックのETF承認率は99%」というのが根拠に挙げられます。

一方で2019年のゴールドETFの老舗「ヴァンエック(VanEck)」の例を見るとわかりやすいのですが、SECへの申請を取り下げすることも可能なのです。ブラックロックが申請しているというのは確かに他のファンドよりもSECの心象は良いと考えられるものの、承認にはファンドの名声や実績よりもビットコイン市場のインフラと流動性が最も大事であると言えるためにこれらは承認根拠とは言えないのです。

そのため筆者はコインベースの訴訟問題及び米国証券取引委員会(SEC)の仮想通貨業界に対する明確な姿勢が取れるまではビットコイン現物ETFの承認確率は低いと考えています。

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