(文:Maki@仮想通貨ママコイナー)
仮想通貨を知る上で重要なのが「アルトコイン」の存在です。仮想通貨=ビットコイン(BTC)というイメージを持っている方が多く、その他のコインについて深く知らないということも。
今回は、アルトコインとは?どうしてアルトコインと呼ばれるようになったのか、そしてアルトコインに関するトレードについて基本的な知識を蓄えていきましょう!
アルトコインの由来と特徴とは?
まず、アルトコインとはいったい何なのでしょうか?Altrnative(オルタナティブ)Coin(コイン)、略してAlt・Coin、これがアルトコインの名前の由来です。Altrnative(オルタナティブ)とは日本語に訳すと「代替(案)」や「選択肢」という意味があり、ビットコイン(BTC)以外のコインのことを総じてこう呼ぶようになりました。
「オルタナティブ」なので、オルトコインと呼ばれることもありますが、表記すると「Altcoin」なので、アルトコインと呼ばれるようになったんですね。
仮想通貨の王様であり、現在基軸通貨として君臨しているのは言うまでもなくビットコイン(BTC)です。しかし、ビットコインにはメリット・デメリットがあり、その欠点を埋めるべく次なる仮想通貨が次々に登場しています。それらをアルトコインと言うんですね。
たとえば、代表的なものでいえばライトコイン(LTC)があります。ライトコインは「ビットコインの欠陥を埋めるべく誕生したコイン」として知られており、ビットコインが金ならライトコインは銀という、有名なキャッチフレーズがありますね。
これは、決してビットコインを敵視しているのではなく、ライトコインの創始者であるチャーリー・リー(Charlie Lee)氏がビットコインの構想について深く感銘を受けており、その尊敬の意を表して「ライトコインは銀」と表現しています。
その証拠に、チャーリー氏のツイッターアカウントは「@SatoshiLite」となっており、ビットコインの生みの親と言われているナカモトサトシ氏に敬意を表し、親しみを持っていることが分かります。
ビットコインの欠点を埋めるために誕生したライトコインですが、次のような具体的な点を挙げることができます。
取引にかかるスピード改善
ビットコインはブロック生成間隔が約10分になるよう調整されています、取引の承認が行われるまでの時間が10分…というのは、ここからきているんですね。
ライトコインはこれをもっと早くしよう!ということで、ブロック生成時間はビットコインの4分の1、2分半の間隔になるよう調整されています。つまり、ビットコインよりもライトコインの方が送金にかかるスピードが速いということですね。
技術面の改善
ブロックに詰め込めるデータ量を多くするための「Segwit(セグウィット)」という機能がいち早く実装され、現在は機密取引を可能にする機能の追加も検討されています。
マイニングの難易度の違い
ビットコインと同じく、マイニングが行われることで新しいコインが発行される仕組み。しかし、ビットコインはASICという高価な機材が必要な一方、ライトコインは一般的なパソコン等に組み込んであるCPUでも(難しいですが)マイニングが可能です。多くの人が参入できるためマイナーの偏りを防ぎ、51%攻撃を防ぎます。
こうしてたくさん誕生したアルトコインは、ビットコインを参考に構想が繰り広げられ、イーサリアム(ETH)やライトコイン(LTC)といった知名度の高いものをはじめ、今では2,000を超えています。
ビットコインはデジタル通貨(お金)という構想のもと作られましたが、それだけでなく「契約機能」をプラスしたイーサリアム、モノとモノをインターネットでつなぐ仕組み(IoT)をプラスしたアイオータ(IOTA)や、金融システムのプラットフォームになるアークブロック(ABT)など、次々に付加価値のついたプロジェクトが登場しています。
代表的なアルトコインあれこれ
では、日本で人気のアルトコインをはじめ、いくつか代表的なものをご紹介します。日本の取引所で売買ができるものを中心にご紹介していきます。
イーサリアム(ETH)
時価総額2~3位、国内外問わず定評のあるアルトコインです。なんといってもその特徴は「スマートコントラクト」で、直訳すると「賢い契約」という意味。第三者の介入がなくても、契約を検証し、実行できるという機能です。
通貨としての役割を果たすビットコインに対し、イーサリアムはDApps(分散型アプリケーション)を展開するための土台として働き、さらにスマートコントラクトを展開する土台でもあります。
アップデート(ハードフォーク)を繰り返しながら成長を遂げていくことが前提のアルトコインとしても知られており、取引の合意方法であるコンセンサスアルゴリズムの変更のほか、取引データであるトランザクションの処理がスピーディーになるシャーディングなど、今後もさまざまな機能が追加されていく予定です。
リップル(XRP)
日本で強い人気を誇るアルトコイン。開発はビットコインよりも早く2004年に行われており、XRPがリップルのネットワークで使われ、このXRPはたとえばドルとユーロのように違う通貨ペアの間で両替や決済を行うための橋渡し役(ブリッジ通貨)になります。
ブロックができる間隔が約10分になっているビットコインとは違い、リップルの場合はほんの数秒で取引が完了することも併せ、国際送金の場で実際に活用され始めています。
ビットコインキャッシュ(BCH)
2017年8月、ビットコインのブロックチェーンからフォーク(分岐)して誕生した、新しいアルトコイン。
ブロックのサイズを変えず、データの圧縮を行うビットコイン(BTC)と、ブロックサイズを大きくする考え方のビットコインキャッシュ(BCH)とに分かれたことがきっかけです。
スピーディーな送金を実現できることからも、実際に送金の手段として使われることも多い通貨ですが、さらに2018年にクライアントの決裂によって「BCHABC」と「BCHSV」に分かれる一件もありました。
ネム(XEM)
2018年1月、コインチェックのハッキングで流出したこともあり、日本での知名度が一気に上がったアルトコインです。NEMは「新しい経済の動き(New Economy Movement)」という意味で、実際にネムを利用したサービスがいくつも始動しているほか、コミュニティが活発なのも特徴です。
モナコイン(MONA)
日本生まれの国産コイン。巨大掲示板・2ちゃんねるのキャラクター「モナー」がモチーフで、コミュニティ内でMONAトークンの投げ銭もよく行われています。
セルフィッシュマイニングという攻撃が行われたり、MONAを利用したサービスでハッキングが起こるなどトラブルもありましたが、動画配信サービスのツイキャスにてMONAの投げ銭ができるようになったり、モナコイン決済が可能なモナバー(MONA BAR)も賑わいを見せています。
草コインについて
アルトコインは2,000を超える種類が存在しているとお話ししましたが、その中にはどんな目的で作られたコインなのか?どうやって実際の世界で使っていくのか、どんな計画書(ホワイトペーパー)があるのか?など、中身がよくわからないものも……。
仮想通貨で儲けたいという、いわゆる「投機目的」が大きな価格変動を求めて購入するのがこういった「草コイン」です。
草コインの特徴
- 時価総額が小さい
- 売買が起こると価格変動が反映されやすい
特に2017年は数百倍から千倍以上の値がついた草コイン(アルトコイン)もあり、いつ買いが仕掛けられて暴騰するかわからないことから、今後伸びしろのある草コイン探しをしているトレーダーも少なくありません。
また、新しくアルトコインを開発することがお金を集めるのためのスキャム(詐欺)という場合も多く、トークン発行・プロジェクト開発のための資金調達であるICOにはじゅうぶんな精査と警戒が必要です。
アルトコインの値動きについて
ビットコイン(BTC)は取引所において基準の通貨、つまり基軸通貨として扱われています。つまり、ビットコインの値動きがあるとアルトコインもともに価格が上下しやすい傾向にあり、相関関係にあると言えますね。もちろん、ビットコインとまったく関係のない値動きをすることもあります。こうした動きのひとつひとつを見極め、事前にファンダを知っておくとよりスムーズに分析ができるでしょう。
アルトコインは現物でのトレードはもちろん、FXでの取引もよく行われています。ただ、ビットコインFXとは違ってアルトコインFXには対応していない……という取引所も多く、取引できる銘柄も取引所によってバラバラです。
また、ビットコインと違い、銘柄によっては取り扱いのない取引所も。特に日本の取引所は、金融庁が認めた銘柄のみを取り扱うことになっているため、海外の取引所に比べるとかなり種類が少ないことがわかります。
より世界で注目されているアルトコインのトレードを行いたい場合は、バイナンス(Binance)などの海外取引所を利用しましょう。
参考:バイナンス(BINANCE)登録方法・口座開設手順はこちら>>
アルトコインのポイントまとめ
驚くほどたくさんの種類のアルトコインがあることが分かりました。そのうちのすべてが将来期待できるアルトコインというワケではありませんが、中には大きく価格変動を起こし、注目を浴びることで開発のために集めた仮想通貨を持って逃走してしまうプロジェクトも多々あります。
どのような目的で作られているコインなのか、具体的な内容を知り、これなら!というものを探して売買を行いましょう。
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