ビットコイン(BTC)取引量が増加する発展途上国の現状をどう見るのか?

サンフランシスコを拠点とするヘッジファンド企業パスポート・キャピタル(Passport Capital)によると、特にこの1、2年、ビットコイン(BTC)の採用が発展途上国の新興市場で急増し、その目的もただ単に投機以上のものであることが分かりました。これは無視できない動向でしょう。

2017年初めごろから途上国市場の取引が先進国市場を上回り始めた

パスポート・キャピタルによると、フィンランドの仮想通貨取引所プラットフォームのローカルビットコイン(Local Bitcoins)が扱った取引量は、発展途上国市場が先進国市場を大きく上回っています。

ここで言う先進国とは、北米、多くの欧州諸国、オーストラリア、日本、シンガポールそしてニュージーランドです。一方、発展途上国として分類されているのは、ブラジルやチリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、チェコ、エジプト、ギリシャ、ハンガリー、ポーランド、カタール、ロシア、南アフリカ、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)、中国、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、パキスタン、フィリピン、台湾、タイなど。

ローカルビットコインの取引量は2017年初めごろから、発展途上国におけるP2P取引が大幅に増え始めました。この数字自体は先進国市場との比較であり、新興市場でのビットコイン採用の実態は余り明白ではありません。その理由は専用のデジタル資産取引プラットフォームに対する銀行口座とアクセスの選択肢が多すぎるからです。

市場の分類にはさらに、新興市場よりさらに発展途上と見なされるフロンティアマーケットがあります。例えば、アルゼンチン、バングラデシュ、ヨルダン、ナイジェリア、パキスタン、スリランカ、ウクライナ、ベトナムなどがそれです。この市場をローカルビットコインが取り上げていないのは、取引所自体がその中の多くの国での利用を登録していないためです。

先進国市場は投機目的が多く、新興市場は仮想通貨を多目的に利用

パスポート・キャピタルの研究について特に興味をそそる結果は、ローカルビットコインでの取引上の関心が先進国では価格追及であるのに対して、新興市場の取引は多目的だということです。

新興市場では、ビットコインはじめ仮想通貨の価格が上昇する17年以降、特に12月以降急増、その後先進国市場の取引量を常に上回るようになりました。これは先進国のバイヤーが、資産上の投機に走っているのに対して、発展途上国の人々は実際に仮想通貨をさまざまな目的に利用していることを示しています。

パスポート・キャピタルは2019年4月3日、Twitter上で調査結果を要約し、「当社は、先進国市場と台頭市場のローカルビットコイン取引量には相違があることを観察し続けている。先進国市場の取引量は価格追及(投機)の結果であり、新興市場のそれは安定しており、価格にかかわらず成長している」と述べています。

同社はまた、新興市場(オレンジ色)と先進国市場(ブルー色)で色分けし2017年12月にビットコイン価格が高騰した後、ビットコイン価格とローカルビットコインでの取引量(USD)でオレンジがブルーを常に大きく上回っていることを図表で紹介しています。

発展途上国市場のビットコイン利用の多様化に注目

2017年12月、ビットコインの価格が急騰し、ローカルビットコインの取引量が急増した後、先進国では市場を利用する購買上の関心は最近まで常に落ち込んでいました。いわゆる「冬の時代」です。これと対照的に、発展途上国では短期的な下方調整はあったものの、サービスを利用する関心は、18年初め以来着実に伸びてきたことが分かります。パスポート・キャピタルによると、そのこと自体が先進国のような投機そのもの以外の利用が存在することの証です。

発展途上国でのビットコインの利用は恐らく、金融インフラが1例だが、(先進国市場のように)より幅広いデジタル経済が備わっている市場を利用するとか、(ベネズエラのような)金融あるいは政治の混乱の時期にある自国経済から手を引く手段として利用することなどが含まれているのでしょう。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

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参考
Passport Capital
NEWSBTC

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