公務員にもiDeCo(イデコ)がおすすめ!加入のメリットは?

総務省の平成27年度家計調査年報によると老後の平均的な生活費は27.9万円と言われています。
対して、会社員として年金を納め続けた場合に老後もらえる年金の標準額は月額22.1万円というデータがあります。

この時点で月に5.8万円の赤字があり、これが30年以上続いてしまうと2,000万円を超えます。
私たちはこの足りない部分を退職金や貯蓄でまかなわなければいけません。

加えて、今は少子高齢化が進んでいるため現役世代の負担は今後もっと大きくなります。
そんな状況だからこそ自分で老後資金を作っていく必要があるのです。

今回は数ある老後資金の貯め方の中で非常に便利な「iDeCo」について分かりやすく解説していきます。
また、iDeCoは会社員だけでなく公務員でも加入できる制度です。
なので、公務員の人たちにとってどのようなメリットがあるのかをより詳しく説明していきます。

iDeCo(イデコ)とは?メリットやデメリット、手数料、節税の方法、おすすめ商品を紹介!

「iDeCo(イデコ)」とは?

iDeCoは簡単に言うと「自分で作る年金制度」です。
iDeCoの正式名称は「個人型確定拠出年金」で、自分で掛け金を拠出して自分で運用して老後に受け取るといった制度です。

iDeCoには基本的に20~60歳未満の人たちが任意で加入することができます。
掛け金の額も毎月5,000円から1,000円単位で自分の都合に合わせて拠出していくことができます。

加えて、掛け金を運用する金融商品も自分で選ぶ必要があります。
iDeCoで購入できる金融商品は定期預金といった元本確保型の商品と投資信託です。
これらの金融商品のリスクや資産運用の知識を知っておくことは運用を満足のいくものにするために必要です。
iDeCoを始める前には一度は勉強をしておきましょう。

そして、受け取り方にも2種類あり自分で選ぶことができます。
選び方は「年金方式」と「一時金方式」です。

「年金方式」は給付頻度を自分で決めて定期的に年金として受け取ることができます。
対して、「一時金方式」は自分のiDeCoの運用資産を一括で受け取ることができます。
また、この「年金方式」と「一時金方式」を組み合わせて給付してもらうことも可能です。
このようにiDeCoは掛け金の額や運用商品、資産の受け取り方などとても自由度は高いです。

しかし、大きな制限としては「掛け金の上限額」が挙げられます。
「掛け金の上限額」は国民年金の被保険者種別や勤務先での企業年金などの加入状況によって異なります。

国民年金で自営業者や学生などの第一号被保険者は月額6.8万円、年額81.6万円が上限です。
公務員やサラリーマンなどの第二号被保険者は企業年金や企業型確定拠出年金の加入状況により異なりますが、月額1.3~2.3万円まで、年額14.4~27.6万円までが上限です。
専業主婦・主夫などの第三号被保険者は月額2.3万円まで、年額27.6万円までが上限です。

公務員の年金について

公務員の年金制度は少し特殊なので、まずは日本の年金制度がどのようになっているか説明します。

日本の年金制度は賦課方式で成り立っています。
賦課方式とは今働いている世代が保険料を出して、それを今の高齢者に年金として給付する方式です。
つまり、現役世代が高齢者たちの年金を支えているのです。

日本の年金制度は2階建ての構造がとられています。
1階部分は「国民年金」、2階部分は「厚生年金・共済年金など」です。

国民年金は20歳以上の人が加入しなければいけない保険で、基本的に60歳まで保険料を納めなければいけません。
自営業者などは第一号被保険者と決められ、この年金のみに加入して毎月一定額の保険料を納める必要があります。

また、専業主婦の人は配偶者などの年金保険の扶養に入ることができます。
その場合は第三号被保険者と決められ、厚生年金などの加入者に保険料を納めてもらうため個人単位で保険料を納めることはありません。

そして、2階部分にあたる厚生年金・共済年金などは主にサラリーマンや公務員といった人たちが加入しています。
このような人たちは第二号被保険者と決められ、保険料を勤務先と折半して給与から天引きされて納めています。

以前まで公務員は、iDeCoに加入することができませんでした。
しかし、平成29年度1月に確定拠出年金法の改正が行われてiDeCoに加入することができるようになりました。

今までiDeCoに加入することができなかった公務員の人たちがiDeCoに加入することでどのようなメリットが得られるようになったかは次から詳しく解説します。

公務員がiDeCo(イデコ)に加入するメリット

iDeCoが公務員の人に対しても解禁されて様々なメリットを得ることができるようになりました。
ここでは公務員の人がiDeCoに加入することで得られる大きなメリットを3つ説明していきます。

これらをしっかりと知って、iDeCoを使いこなしてうまく老後資金を作りましょう。

掛け金は全額「所得控除」

iDeCoのメリットの一つ目は掛け金が全額「所得控除」にできることです。
この仕組みがあることによって老後だけでなく、現役世代でも節税効果を出すことができます。

ただし、掛け金を所得控除とするには手続きが必要な場合があります。
会社員で勤務先が年末調整をしている場合、手続きは必要ありません。
しかし、それ以外の人や年末調整をしてもらうのを忘れてしまった場合は自ら申請して年末調整や確定申告をしなければいけませんので注意しましょう。

iDeCoで得た利益には税金がかからない

iDeCoは掛け金を使って、自分の判断で金融商品を購入して運用する必要があります。
そして、運用益が出た場合には税金がかからずに全額を得ることができます。

本来、一般的な金融商品から得られる収益には約20%の税金がかかります。
しかし、それがないということは得られる利益が相当大きくなります。

また、その節税効果は運用資産が多く、期間が長ければ長いほど大きくなります。
資産運用は基本的に長期的に運用していけば一定のリターンを得ることができます。
そしてそのリターンは期間が長いほど複利効果的に大きくなります。

なので、老後資金というすごく先のための資産運用においては、リターンの額が大きくなるため節税額も大きくなります。

受給時も「退職所得控除」「公的年金等控除」

iDeCoは60歳以降になると「年金方式」と「一時金方式」もしくは両方を選ぶことができます。

そして、それぞれを選んだときには異なる税制優遇が適用されます。

「年金方式」を選んだ場合は公的年金等控除として一定額を定期的に受け取れます。
「一時金方式」を選んだ場合は退職所得控除として一定額まで一括で受け取ります。

両方を選んだ場合はその都度どちらの方式かを確認して、対応する控除が有効になります。

公務員こそiDeCo(イデコ)に加入がおすすめ!

ここまででiDeCoという個人型確定拠出年金について詳しく触れながら、日本の年金制度、公務員に注目して説明しました。

公務員は少し前まではiDeCoに加入することができませんでしたが、年金法の改正によって加入できるようになりました。
これを機に公務員も老後資金の確保の方法が柔軟になり、より安心した老後を迎えやすくなりました。
公務員の業務は今となってはだんだんとAIに取って代わられつつあります。
つまり、ほぼ確実に安定と言われていた公務員も近い将来は安定した職業ではなくなる可能性があるということです。

そういった時に老後の不安を少しでも和らげて、安心して生活をするためにはiDeCoを活用しておくのがおすすめです。
公務員だから安心ではなく、公務員だからこそ将来のことをしっかりと考えて堅実に資産形成をしてくべきではないでしょうか。

おすすめの記事