iDeCo(イデコ)は確定申告が必要?証明書の書き方を解説

読者の中で上手く貯蓄ができずに老後の資金に不安を持っている方はいるのではないでしょうか。
日本の年金制度は少子高齢化で非常に不安定な状態にあります。
年金を期待して安心していると、実際に老後になった時に十分な年金がもらえなくなっているかもしれません。
なので、現役世代のできるだけ早いうちから老後のための資産形成をあらゆる方法でしていかなければいけません。

今回は老後のための資産形成に必須の制度ともいえる「iDeCo」について分かりやすく説明していきます。
加えて、iDeCoの大きなメリットである税額控除には確定申告をしなければいけない場合があります。
該当する人たち向けに具体的に証明書をどのように書けばよいか解説していきます。

iDeCo(イデコ)とは?メリットやデメリット、手数料、節税の方法、おすすめ商品を紹介!

「iDeCo(イデコ)」とは?

iDeCoは「個人型確定拠出年金」というのが正式名称です。
「個人型確定拠出年金」とは任意で加入し、掛け金を自分で拠出して自分の判断で運用して積み上げた資産を老後に年金として受け取る制度です。

加入も掛け金額も運用方針も自分で決める必要があるためしっかりとiDeCoについて、資産運用について学習することが重要です。
iDeCoは原則20~60歳未満の人が加入することができます。
そして、老後資金のための制度であることから一度加入して掛け金を拠出すると60歳以降にならないと引き出せません。

iDeCoの大きなメリットは制度を利用する上で3つの場面で税制優遇があることです。
それは掛け金の「運用時」と「受取時」と「拠出時」です。

iDeCoは掛け金を運用して運用益が出た場合にその利益が非課税になります。
一般の金融商品は約20%の税金がかかり利益を圧迫してしまいますが、iDeCoを使えば利益を総取りすることができます。
長期的に運用すればするほどそのメリットは大きくなります。

また、iDeCoは老後にその運用資産を受け取る時にも税制優遇があります。
iDeCoは「年金方式」と「一時金方式」2つの受け取り方法があり、それぞれで控除のされ方が異なります。

一つ目の年金方式では「公的年金控除」、二つ目の一時金方式では「退職所得控除」として一定額まで控除されます。

そして、iDeCoの最大のメリットは掛け金を拠出した時にその全額が所得控除の対象になることです。
この仕組みがあることで老後だけでなく、現役世代の時でも節税効果が得られます。
もちろん掛け金を多く拠出した分だけ税金の軽減額は大きくなります。
なので、もし資金に余裕があるのであれば積極的にiDeCoに使っていくことで節税をすることができます。

iDeCo(イデコ)には年末調整が必要!

iDeCoで掛け金を拠出してその金額を所得控除として戻すためには年末調整をする必要があります。
これをしないと掛金が控除されないのでiDeCoの最大のメリットを享受することができません。
しっかりと忘れずに行うようにしましょう。

また、それぞれの加入状況や払込みの時期によっては年末調整ではなくて確定申告をしなければいけない場合があります。
今の自分の状態を把握しておくことが大事です。

年末調整と確定申告の違い

iDeCoを使っていく上では年末調整が必要な場合と確定申告が必要な場合があります。
その二つを分かりやすく理解するために違いを説明します。

年末調整は1年間に給与所得者(会社員や公務員など)に対して支払った給与や源泉徴収税額を計算して、税金を払いすぎていないか、もしくは払う金額が足りていないかをチェックする仕組みです。

この年末調整は毎年秋から年末にかけて行われます。
基本的に勤務先が行うものなので、会社員の人は確定申告などをする必要がなくて特にやることがありません。

確定申告は個人でそれぞれが1年間の所得とそこから発生する税金額を計算して、申請・納付をする仕組みです。
確定申告の場合は1年間に報酬を受け取ったら来年度に精算をすることになります。
この仕組みから税金分が差し引かれるのを忘れて稼ぎを使いすぎてしまい、確定申告の時期に一気に支出が多くなるといった状況になることがあります。

また、会社員でも主に以下の条件のどれかを満たす人は確定申告をしなければいけません。

  • 給与年収が2,000万円超の人
  • 1つの事業所から給与を受けていて、給与や退職金以外の所得合計が20万円超の人
  • 2つ以上の事業所から給与・賃金を受けている人 

自分が該当しているにもかかわらず、確定申告をしないと脱税行為にあたりますので注意しましょう。

iDeCo(イデコ)の確定申告は会社員でも必要?

iDeCoの確定申告は会社員でも場合によっては必要です。

会社員の人はiDeCoの払込方法が二つあります。
それは「事業主払込」と「個人払込」です。

「事業主払込」は給与から天引きされて掛け金が拠出されるので、勤務先が年末調整を行うため確定申告は必要ありません。

しかし、「個人払込」を選択している場合は自分がでその1年間でいくらiDeCoに掛け金を拠出したのかを把握して確定申告をしなければいけません。

個人払込の人は証明書を提出する必要がある

iDeCoの掛け金の拠出方法で個人払込をしている人は年末調整を申し込まなければいけません。

その場合は10~12月に送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」を確認して1年間のiDeCoでの拠出合計額を把握します。

その後、勤務先から「給与所得者の保険料控除申告書」を受け取り、そこにある「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の部分に拠出合計額を記入します。
加えて、「合計」にも金額を書きます。

その後、保管していた「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付し「給与所得者の保険料控除申告書」を勤務先に提出します。

年末調整を忘れたら確定申告をする必要がある

「給与所得者の保険料控除申告書」の提出を忘れてしまった、もしくは「小規模企業共済等掛金払込証明書」がその年中に来なかった場合は確定申告をする必要があります。

iDeCoの初回の払込みが11月以降になると「小規模企業共済等掛金払込証明書」が来年度に送られてきます。
そうなると払込みをした年の年末調整に間に合わないため、自分で確定申告が必要になります。

iDeCo(イデコ)の確定申告の手続き

iDeCoを使う上で確定申告が必要になった人のためにその手続き方法を具体的に説明していきます。

この方法を実践してスムーズに確定申告をしましょう。

自営業者の場合

自営業者の人はまず年末もしくは来年の初頭に届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を受け取ります。

そして、2月16日から3月15日までの間に確定申告書Bを税務署から受け取り、確定申告書Bの第一表左下にある「小規模企業共済等掛金控除⑬」に掛け金の合計を記入します。
同時に第二表の右上部分にある「小規模企業共済等掛金控除⑬」の「掛金の種類」という欄に「個人型確定拠出年金」と書き、右側に掛け金の総額も記入します。
最後に「小規模企業共済等掛金払込証明書」を確定申告書Bに添付して税務署に提出して完了です。

また、e-taxを使える人はそこからの申告もできます。

年末調整を忘れた会社員・公務員の場合

年末調整を忘れてしまった会社員・公務員の人も2月16日から3月15日までの間に確定申告をしましょう。
事前に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られますので、そこから掛け金の合計金額を把握します。

そして、税務署から確定申告書Aを受け取ります。
その後、確定申告書A第一表の左側にある「小規模企業共済等掛金控除⑦」の欄に拠出合計額を記入します。
同時に、確定申告書A第二表にある「小規模企業共済等掛金控除⑦」に「個人型確定拠出年金」と書いて掛け金の額も書きます。
最後に確定申告書Aに「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付して税務署に提出すれば完了です。

また、e-taxを使える人はそこからの申告もできます。

iDeCo(イデコ)で所得控除を受けるためにも確定申告は忘れずに

ここまででiDeCoという制度について、そして最大のメリットである掛け金の所得控除のやり方についてまとめてきました。
iDeCoは基本的に20~60歳の人が任意で加入できて、掛け金も運用方針も自分で決める必要があります。
しかし、その分大きな税制優遇があるため老後資金を作るにはおすすめの制度です。
また、掛け金が所得控除になるには年末調整もしくは確定申告で手続きをしなければいけません。

この記事で説明したやり方を実践して、確実に掛け金を所得控除の対象にしていきましょう。
そして、iDeCoを使って現役世代でもお得に生活しながら、老後の資金を効率良く作り上げていきましょう。

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