バイナンス(Binance)の顧客第一主義である凄さ、戦略におけるAmazonとの共通点とは?

バイナンス(Binance)は執筆時点で世界最大の取引所です。2017年の7月の創業以来、驚くべきスピードで成長をし早期に取引高ボリュームでナンバーワンの座を獲得。その後もそのポジションを維持し続けています。

Binanec(バイナンス)の顧客第一主義であるの凄さ

Binanceは、これまで取引所として大きなハッキング被害も経験しておらず、取引所としての出来高や優れたユーザーエクスペリエンス、カスタマーサポートの充実など、他の取引所と比べても高い顧客体験を提供し続けてきました。

特にセキュリティの観点で、Binanceは世界で最も大きい取引所でユーザーからの預託金が多く、これはハッカーから最も攻撃されている取引所であるとも言い換えられます。それにも関わらず、ハッキング被害を経験していないということは、称賛されるべきことです。

その点では、Binanceが早期に取引所として優位なポジションを築くことになったことは当然だとも言えます。しかし、Binanceの戦略の研究については細かく分析をするならば、触れるべき点が山程あります。

本コラムでは、その中でもBinanceの手数料戦略について考察をまとめす。

Binanec(バイナンス)の手数料戦略を再考する

以下の画像は、Binanceと他の取引所の取引手数料の比較です。
取引所の手数料比較
出典:Multicoin Capital

他の取引所と比較をすると、Binanceがほとんどの場合において手数料が安く、同社のトークンであるBNB支払いをすると手数料はさらに下がります。BInaneの取引における手数料は0.1%ですが、BNBトークンでこの手数料支払いをすると、0.05%にディスカウントされます。このディスカウントは、1年目は50%ですが、2年目は25% 、3年目は12.5%、4年目は6.75%と徐々に割引率が下がり、5年目にはディスカウントは終了します。

手数料が安いことは、Binanceの立場になって考えてみると、1取引あたりの手数料は半分くらいであったとしても、取引量自体が10倍であれば、他の取引所より5倍の売上を見込めることになります。

基本的にユーザーにとって、手数料は安いほうが望ましいので、Binanceの競合取引所は、手数料を安くして対抗したいところですが、それによってBinanceほどの出来高を望めない限りすぐに赤字になることは明白なので、競合取引所は手数料を下げられないということが連想できます。結果Binanceは、手数料が安価のまま取引所を提供するプレーヤーのなかで最高の売上と利益を享受しています。

バイナンス(Binance)の手数料戦略はAmazonのAWSと似ている

この競争エコノミクスはAmazonのクラウドサービスのAWSの戦略に似ています。同社CEOのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏がAWSを始めるとき、Amazon社内での反対を押し切って、安価な提供料金をしたことは有名なエピソードです。しかし、それによってシェアを獲得し、競合では提供できない価格でありながら、利用者が多く利益率が高い事業になりました。

今では、AWSはAmazonで最も利益に貢献する事業です。最初は安かった価格が、今ほど利益率が高くなると、もし参入する競合企業が増えたとしても、Amazon側には価格を落とす余力がありすぎて、価格勝負になったときAmazonに勝てる要素はないので、結果的に参入が増えずAmazonは大きい利益をテイクし続けるというサイクルに入っています。

これは現在のBinanceの手数料と競合取引所の手数料と同じような関係性です。Binanceの取引手数料戦略は、これと同じことを2017年の創業時から高速で行ったと振り返れます。

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