プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の経済圏【後編】:ステークホルダーの分類

これまで前編中編の2回に分けて、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)ブロックチェーンが数々立ち上がり、経済圏が生まれる可能性があること、そしてステーキングプールについて解説してきました。そこで今回は、ステークホルダーに焦点を当てたいと思います。

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リテールのステークホルダーをより分解する

PoSトークンの個人の保有者をより分解すると、多様なグループに分類することができます。

コアなサポーター個人

熱狂的なそのネットワークの支持者で新規供給のトークンの恩恵を受けたいだけでなく、ネットワークの分散性に貢献したい人。このグループは、特定のステーキングプロバイダを使わず、自分でステーキングノードを立ち上げます。

ステーキングプロバイダは本質的に特定のプロバイダに集中してしまうと、ネットワークが集権化してしまうので、分散性の観点では望ましくないという考え方もあり、これを支持しない人もいるでしょう。

ステーキング益を享受したい個人

コアなサポーターではないですが、ステーキング益を享受したい個人は、ステーキングプロバイダのサービスをリサーチして、最も利益率が高いものを探して利用するでしょう。

また、このグループにも、利益率を調査したうえで、手間がかかったとしても、自身でノードを建てたり、サーバー管理をして、ステーキングしたほうが得と判断する場合は、自身でステーキングをするでしょう。

ステーキングなどの理解ができない個人

次にステーキングなどのアーキテクチャなどを分からない個人がリテールマーケットに存在します。
こういったグループは、値上がり益を求めてトークンを保有したとしても、そのトークンはステーキングをされず、取引所に保管されます。取引所がユーザー向けにステーキングできるようにするかどうかはの判断に委ねられます。

機関投資家、クリプトファンドのステーキング

次に機関投資家のPoSステーキングへの見方を考えます。現在、多くのクリプトファンドがトークンのステーキングをしています。例えば、アメリカで最も影響力があるクリプトファンドの一つであるポリーチェーン・キャピタル(Polychain Capital)は、テゾス(Tezos)の最も大きなステーキングノードです。ヨーロッパの代表的なクリプトファンドの一つであるファブリック・ベンチャーズ(Fabric Ventures)もステーキングやさまざまな手法でネットワークに貢献をしていく考えを示しています。

こういったクリプトファンドのステーキングは当たり前になりつつあります。分散型ネットワークでのベンチャーキャピタルでの役割は、プロトコルに投資をして、そのネイティトークンのステーキングをし、プロトコル自体に影響力を持ちながら、そのプロトコルの上のアプリケーションにも投資をして、全体で大きなリターンを得ようという試みが一つの型になりつつあります。

さらに、こういった発展形として、クリプトファンドと ステーキングプールをハイブリットモデルで運用するファンドもあります。例えば、ミソス(Mythos)がそのモデルで、ミソス・キャピタル(Mythos Capital)とミソス・サービス(Mythos Service)の2つを展開しています。

実際のところファンドが、ステーキング環境を整えたのであれば、その運用コストはもう固定なので、それをリテールユーザーにも開放してしまうことは合理的です。こういった事例の応用モデルは、来年以降メインネットローンチを控えるPoS系プロトコルの増加に比例して、さらに増えるでしょう。

PoSのステーキングに関してさまざまな数字を示したレポートはこちらで公開しているので、興味がある方はご覧ください。

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