続くベアマーケットで試練を迎えるブロックチェーン企業、下落相場とビジネスへの影響

ビットコイン(BTC)をはじめとして暗号通貨市場には厳しい相場環境が続いています。これに伴い各企業・ビジネスプレイヤー・プロジェクトも大きな影響を受けています。

以下はここ数週間のニュースです。

最近のブロックチェーン界隈のニュース

分散型SNSのスティーミット(Steemit)は、70%以上の従業員をカットしたと発表しました。同プロジェクトのトークンは、ピーク時からドル建てで90%以上の値下がりをしています。設立者のネッド・スコット氏(Ned Scott)は、自身のYouTubeチャンネルに投稿した動画で、ストラクチャーや組織設計の変更も必要であるとコメントしています。

イーサリアムクラシック(Ethereum Classic)の開発にコミットをするチームであるETCDEVは、今後開発チームに人員を割けないとアナウンスをしました。とはいえ、イーサリアムクラシックはオープンソースのプロジェクトであり、他にもIOHKやETC Co-op、 ETC Labsなどコミットしているチームが存在しており、イーサリアムクラシックが解散するわけでは全くありません。

イーサリアム(Ethereum)のペイメントチャネルを使用して、アダルト動画をマイクロペイメントするスパンクチェーン(SpankChain)も、マーケットの変化を懸念して、チームをダウンサイジングしたとアナウンスをしました。バーンレート(月々の支出)を大幅に削減しています。

仮想通貨の下落相場による悪影響

マーケット参加者やトレーダーも、それぞれ純資産が減っていき悲しいというのもあると思いますが、ビジネスへの影響も大きく、そちらにマインドシェアを取られているプレイヤーは多いでしょう。相場と業界のビジネス環境はさまざまな観点で相関します。相場下落により考えうる負の影響は、例えば下記です。

  • スタートアップの調達バリュエーションが抑えられる
  • ファンドからのブロックチェーンプロジェクトへの投資が渋くなる
  • ファンドにLPが集まらなくなる
  • 特に中華系のファンドはファンド解約、リクープのサイクルが早く、相場下落時にお金の渋くなるのが特に目立つ
  • ファンドやICOマネーがありきであった事業、例えば スマートコントラクト監査なども売り上げが滞る
  • リテールのユーザーも減る。
  • 取引所も新規ユーザー獲得コストは高くなり、メディアはPV減る

さて、この中でもしっかりとプロジェクトを頑張ることができるかどうかは起業家の能力であると言えます。

手前味噌ながら、筆者が関わっている会社、例えばd10n Labの会員数はずっと伸びていますし、ブロックチェーンスタジオHashHubも順調です。

筆者以外にもやることをしっかり真面目にやっている会社は、ブロックチェーン企業でも、このマーケット環境のなかでしっかり基盤を整えているように見えます。

ブロックチェーン企業各社にとっては、ビジネス設計能力や胆力など多くのものが問われるフェーズとも言えるかもしれません。

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