ビットコイン(BTC)の「本質的価値」認める、JPモルガンが大変身 

JPモルガン・チェースが仮想通貨に対する見解を180度転換して、ビットコイン(BTC)には「本質的価値」があることを認めました。かつて仮想通貨は「詐欺」と断じていたJPモルガンですが、見解を変えた同銀のアナリストグループは、「今回のビットコイン価格の急騰は、2017年の景気パターンに酷似している」と警告もしています。

ビットコイン(BTC)はコモディティと位置付ける報告書

ブルームバーグ(Bloomberg)が伝えるところによると、JPモルガンのアナリストのニコラオス・パニギルツォグロー(Nikolaos Panigirtzoglou)氏らグループは5月17日、ビットコインはコモディティ(商品)として扱うとの結論に達した報告書を作成しました。一方で、17年の景気パターンと比較して、次のように警告しています。

「過去数日、(ビットコインの)実勢価格は限界コストを超えて鋭角的に変動した。実勢価格と本質的価格との間の相違は、2017年末に起きた急騰を一部反映したものだが、17年に起きた価格の変動幅は、主として実勢価格の下げによって解消された」

「仮想通貨の本質的価格と実勢価格の定義は、まさに難しい問題である。研究者たちの見解は割れており、ビットコインは基本的な価値はないとする者から、適正価格は現在価格を十分上回ると主張する者までいる」

JPモルガンの変心はJPMコインの運用開始と時期が一致

JPモルガン・チェースのアナリストたちの報告書について、イートロ(eTro)のシニアマーケットアナリストであるマティ・グリーンスパン(Mati Greenspan)氏は「JPモルガンが最終的に、ビットコインの本質的価値を認めようとするのは素晴らしいことだが、彼らが自身の計算と比較して、現在価格が過大評価されていると分析しているのは驚くには当たらない」とコメント。

続いて「ビットコインの現在価格はもちろん、マイニングコストを十分上回っている。しかしJPモルガンは、マイナー(採掘企業)が黒字を計上しようとすれば、コインを貯め込むことが良くあるという事情を考慮していない。マイナーは、機が熟している市場に対しては供給を控え、流動性をさらに抑えて、価格を一段と高めようとする」と、業界の事情を語っています。

JPモルガン・チェースの今回の発表は、自社発行のいわゆる中央集権型デジタルトークン「JPMコイン」の試験運用中のことであり、人々がより大きな関心持つようになった時期と一致します。

ビットコイン(BTC)価格上昇は世界的な景気後退の懸念か

ビジネス専門ニュースウェブサイトであるビジネス・インサイダー(Business Insider)によると、その他のアナリストは、別の注目すべき見解を持っています。今回のビットコイン価格の上昇は、世界的な景気後退の懸念と米中貿易戦争の影響を受けて、世界の経済循環の悪化の兆候であるという見方です。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ (Bank of America Merrill Lynch) の投資戦略責任者であるマイケル・ハートネット(Michael Hartnett)氏は、このような事態が、債券の収益減を招きかねないと主張します。債券はすでに下落ており、いくつか主要国では歴史的な下落水準に近づいています。同氏はクライアントに向けて、投資家が今なすべきことは、1,270億ドル(約14兆円)の企業債務と新興市場債務を含めて、取引に貪欲になることでるとだと述べています。

同氏はさらに、ビットコインは不安定な時代の投資家には魅力的であり、マイナス金利の債務の世界にあって、8,000ドル(約87万円)を超えたビットコインはその信頼の証であるとも語っています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

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参考
cryptonews
Bloomberg

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