ネム(NEM)財団が6月度の状況を発表
ネム(NEM)財団が6月のアップデートを同月30日に発表した。今回のアップデートでは、NEM財団ロードマップとカタパルトの更新、財団の収入、日本市場戦略調査、NEMブロックチェーンセンターの情報更新、各パートナーシップの状況などが発表されている。2019年もいよいよ中盤となっているので、財団のロードマップやカタパルトの状況はもちろんのこと、NEMを取り巻く現在の環境についてもチェックしておきたい。
財団ロードマップとカタパルトの更新
- チュートリアルや技術関連のドキュメント、ツール、サンプルアプリなどを手掛けるカタパルト開発者センターの開設が進む。
- Javascript、Typescript、JavaのSDK3種を更新。更にカタパルトのコアSDKとしてPHP、Swift、Python、Unityが追加対応される。
- カタパルトがレジャー(Ledger)やトレザー(Trezor)と統合するために互換性の更新。
- CowテストネットがDragonへアップグレード予定。試作ウォレットやチュートリアルもリリース。
- カタパルトモバイルウォレット開発は、引き続きハティオ・イノベーションズ(Hatio innovations)が担当。カタパルトでモザイク(NEMブロックチェーン上のトークン)の送受信を簡単にできるインターフェースを準備。
財団収入について
NEMブロックチェーンセンターマレーシアで1万8,000ドル(約198万円)の売上げ。このモデルを世界各国で押出し、売上げ上昇を見込む。そして、カタパルトのローンチと同時に本プログラムでNEMの認知度を拡大させていく。
また、スペイン語オンライン教育プラットフォームを提供するテュテルス(Tutellus)がNEM認定コースをローンチ。開発やビジネスの分野で役立つコース内容となる。NEM財団は、パートナーシップやトレーニングなどを通して、60万ドル(約6,600万円)の売上を見込んでいる。
日本市場の戦略検討
日本でNEMの企業ユースケースを増やすために、日本企業との戦略を検討。また、個人でNEM財団の翻訳に協力してくれる人を募集しており、財団宛メールアドレスで応募を受け付けている。
NEMブロックチェーンセンターのアップデート
NEMマレーシアは、創設された都市全体に広がるマレーシアテックウィークのエコシステムの一員として、テクノロジーの可能性や規制、ユースケースを話し合い披露するためにブロックチェーントラックの開催を任命された。1,000以上のハイテク企業、スタートアップ、規制当局、起業家などが集まりディスカッションに参加する規模になる予定。
パートナーシップ
パートナー名 | 提携内容 |
---|---|
マレーシアデジタルエコノミーコーポレーション(MDEC) | フリーランスの技術者がマレーシアで短期間働くために就労ビザプログラムの試作を進めている。そのブロックチェーンパートナーとしてNEMを選定。 |
UCSI大学 | 昨年末よりパートナーシップを結んでおり、ブロックチェーンに関する教育などを進めている。 |
マレーシアサインズ大学 | ブロックチェーン技術の可能性とユースケースを共有し、議論を進めていく。 |
サウサンプトン大学 | NEMが公式ブロックチェーンテクノロジー教育者として招待された。 |
MHub | 不動産プラットフォームであり、不動産業界のバリューチェーンにおけるブロックチェーンの採用を促進し、プロセスのスピードアップと簡素化を目指す。 |
The Vault | サイバー犯罪を仮想通貨業界とNEMのエコシステムから駆除するため、パートナーシップを結んだ。 |
取引所とウォレットについて
パートナー名 | 提携内容 |
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ズース(Zeux)取引所 | 近々、NEMブロックチェーン上のアセットであるゼム(XEM)所有者は、Zeuxを使うことでApple Pay、Samsung Payで店頭払いができるようになる。 |
クーコイン(KuCoin)取引所 | XEMの上場が決定。取引ペアは、ビットコイン(BTC)建とテザー(USDT)建の2種。 |
ラクーンウォレット | 分かりやすく使いやすいデザインとしてコミュニティから注目されているウォレットとして現在推奨されている。 |
アトミックウォレット(Atomic wallet) | セキュアで使いやすいウォレットで、XEMの取扱いが決定。 |
ペイトマット・ウォレット(Paytomat wallet) | XEMとNEMのモザイク対応が決定。 |
7月のイベント
- 7月2日、3日に台湾で開催されるアジアブロックチェーンサミットに、NEM財団評議会メンバーのジェフ・マクドナルド(Jeff McDonald)氏が登壇。
- 7月4日、5日にメキシコで行われるブロックチェーンサミットに、同じくNEM財団評議会メンバーのペドロ・グティエレズ(Pedro Gutierrez)氏が登壇。
財団も日本に注目を向けている
NEM財団は、カタパルトのローンチに向けて環境整備やパートナーシップも進めている。ブロックチェーンの教育に関しては、今後、確実に必要なものとなってくるだろう。
また、今回特に気になったのが、日本市場への戦略を検討している点である。日本のNEMコミュニティは、NEMを盛り上げようと新しい試みを進める人が多いように思う。NEM財団もこれを気にしているのか、日本の企業とNEMブロックチェーンの普及、拡大に向けて模索しているようだ。ブロックチェーンセンターのような、開発者が集まり議論したり、教育したりできる場所が日本には少ないように思うので、そのような点を強化してくれると盛り上がるように思える。
参考
・NEM Foundation Update: June 2019
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