
イーサリアム(Ethereum)のネットワークでコントラクトアドレスにロックアップされているETHが、全供給量の3%になりました。ロックアップされている用途は下記のようになっています。
出典:Etherscan
最も多くロックアップされているのはメイカーダオ(MakerDAO)のCDPコントラクトです。これらはETHを担保にステーブルコインのDAIが発行されています。以前よりこのロックアップ比率が高いことは過去のコラムでも紹介しました。
その他の分散型金融(DeFi)もコンパウンド(Compound)やシンセティクス(Syntheix)などが最近伸びています。しかし、それと比べても急激に伸びているものはエッジウェア(Edgeware)のロックドロップです。
エッジウェア(Edgeware)のロックドロップとは
Edgewareは、スマートコントラクトの実行ができ、オンチェーンガバナンスが実装、およびWASMが実装された、ポルカドット(Polkadot)のパラチェーン(Parachain)上のブロックチェーンです。
同プロジェクトのトークンのEDGの配布はエアドロップされます。しかし、無条件にもらえるわけではなく、もらいたい人は、所定のETHをコントラクトアドレスにロックアップする必要があります。エアドロップでEDGを受け取れる総量は、ロックアップするETHの量とロックアップする期間の2つの変数によって決定します。
Edgewareのロックドロップに関して、ユーザーは4つの選択肢があります。3ヶ月・6ヶ月・1年のロックアップとロックアップ期間はなくウォレットからシグナルだけを発信するというパターンです。例えば、あるユーザーが1ETHを3ヶ月のロックアップをして1シェアを得られたとして、別のユーザーは6ヶ月のロックアップで1.1シェアを得られ、また別のユーザーは1年のロックアップをして1.4のシェアを得られます。
上記のような予め決められた割当条件により、参加者の数でトークンが分配されます。ロックアップの期間が終了をすると、ETHとEDGが自由に移動できるようになります。EDGのエアドロップが欲しいユーザーは、ETHをロックアップすることになるので、そのときに得られるステーキングやレンディングの機会を失うことになります。
これによって得られるメリットとして、まず、トークンの入手に多少の機会コストが必要なため無関心な人がトークン入手にアクセスすることはなくなり、かつ公募で多くの人にトークンを配布できます。
メリットはこれだけではありません。新規でローンチをするブロックチェーンは総じて、トークン価格が低くセキュリティが低かったり、ネットワークに滞留している価値が少ないことからリスクを負っているステークホルダーが存在しません。しかし、ロックドロップを用いたEdgewareのブロックチェーンのローンチ時には、ETHを最大1年間ロックアップしたステークホルダーが、不特定多数存在し、それが新規のブロックチェーンでありながらステークホルダーの重みになります。
Edgeware自体の詳しい説明は下記の記事で解説しています。
参考:Polkadotネットワーク内のスマートコントラクトブロックチェーンを標榜するEdgewareの概要解説、評価、考察
本コラムではロックドロップの参加方法について説明します。
ロックドロップの参加方法
ロックドロップはまだ参加が可能です。参加方法は下記の通りです。
- 事前にETHをメタマスク(Metamsk)などに保有しておく
- Edgewareのロックドロップのページを開く
- 上段右から3つ目のKeyGeneraterでEdgewareの公開鍵と秘密鍵を生成する。
※作成した秘密鍵は必ずローカルで保管しましょう - ロックドロップのページに戻り作成した公開鍵を入力する
- ロックするETHの量と期間を入力する
- Metamaskからロックアップするためトランザクションを署名する
- 完了!
この手続きを完了すれば9月15日のEdgewareのローンチ日にEDGトークンが配布されます。ETHの長期投資家で売却予定がない人で興味ある方は参加してみてはいかがでしょうか。
参考
・Edgeware
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