
株式会社シティーデジタル(City Digital Inc)が6月28日、ブロックチェーンを活用したCtoCアプリサービスであるKCKC(キクシー)のβ版をリリースしました。
出典:App Store
ブロックチェーンを正規品の証明などに活用
KCKCは、スニーカーの取引コミュニティで、全てのスニーカー好きの人が、安心してスニーカーの売買ができるアプリサービスであると説明されています。
ユーザーは、自身のスニーカーの売りたい、または買いたい金額を自分で提示して取引が可能です。売買されるスニーカーは全て熟練の鑑定士と新しい仕組みによって鑑定され、新品・本物であると判断されたスニーカーだけが取引されます。
興味深い点は、KCKCではユーザー間の売買が成立した後、KCKCを経由するスニーカーが全て正規品であることを証明するために、ブロックチェーンに鑑定情報を蓄積し、RFIDタグに書き込んで商品に取り付け、買い手へ発送するという点です。鑑定士は、KCKCの社内に存在し、KCKCによって鑑定されたという保証をブロックチェーン上に記すというわけです。
このシステムにより二次流通でありながら、正規品であることの証明や、恐らくKCKC内で取引された過去の取引情報も全て蓄積されるはずです。
成長する二次流通市場
なお、このようなスニーカーや特定の物品に限定した二次流通市場は、海外でいくつか事例が出ています。
アメリカのデトロイトを拠点にしたスタートアップであるストックX(StockX)は、この分野でユニコーン企業になっており、スニーカーの他にバッグや服などの二次流通も行っています。こういったサービスはこれからも増える可能性はあり、KCKCのように二次流通の真贋性・来歴に検証性を持たせるためにブロックチェーンを活用することは今後も考えられるでしょう。なおKCKCについては、使用するブロックチェーンの仕様については公表されていません。
セカンドマーケット分野で活用が進むブロックチェーン
こういったプレミア価格がつくことのあるスニーカーや、ラグジュアリーの来歴情報などをブロックチェーンで管理することは一つのトレンドです。
最近では、LVMHとマイクロソフト(Microsoft)、コンセンシス(ConsenSys)の3社が組み、ラグジュアリープロダクトの追跡するためのAuraというコンソーシアムブロックチェーンを開発することを発表しています。
こういった実装が進むと、例えばブランド品の革がXX産のYYの種類を使っているというような情報が発売から5年経ったあとの二次流通市場でも確認できるようになるかもしれません。そして、そういった情報が確認できないものは偽物であるということになります。
今回紹介したKCKCのようにサプライチェーンやセカンドマーケットにブロックチェーンが導入されることを身近に感じる日は近いかもしれません。
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