
ブロックチェーンと再エネ化
ブロックチェーン技術を活用することで、正確にデータを記し証明することができる。この特性を利用し、環境問題に取り組む企業がある。
みんな電力株式会社が手がける「ENECT RE100プラン」は、ネム(NEM)のブロックチェーンを使って、電力トレーサビリティを実現し、電力の再エネルギー化を可能とする計画だ。再エネ発電所からの電力を需要者に30分単位でマッチングさせることができる。
最近では、戸田建設株式会社が、自社の筑波技術研究所で使用する電力を100%再生可能エネルギー電力に切り替えたことを発表した。筑波技術研究所では、みんな電力株式会社の「ENECT RE100プラン」を活用することで、100%再生可能エネルギー電力の調達目標を達成するとしている。
戸田建設株式会社は、2019年1月にRE100イニシアチブへ加盟し、再生可能エネルギーへの切り替えを推進している。RE100イニシアチブとは、二酸化炭素の排出を削減することで、環境負荷を低減させるために設立されたものだ。事業に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーとすることを目指しており、加盟企業は毎年報告書を作成して進捗状況を明示することとなっている。
世界的には、ゼネラルモーターズ、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、スターバックス、ナイキ、ゴールドマンサックス、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、マイクロソフト、Apple、Google、Facebookなどが加盟している。
日本においては、ソニー、富士通、積水ハウス、大東建託、ワタミなどが加盟しており、RE100の加盟企業は全体で160社を超えている。
日本でも採用が続く
みんな電力株式会社が提供する「ENECT RE100プラン」は、ネム(NEM)のブロックチェーンを活用することで、低コストかつ正確な電力トレーサビリティを実現している。このサービスを使うことで、再エネ電力の非化石証書(※)を付与できるため、RE100イニシアチブ加盟企業にとって、有効な手段となるだろう。環境問題に対して、ブロックチェーンを活用するアプローチが今後も増えてくるのではないだろうか。
現在このサービスを導入するRE100加盟企業は、丸井グループ、エンビプロホールディングス、戸田建設の3社となっている。また、最近では千葉商科大学や横浜信用金庫においても、みんな電力株式会社を通して一部使用する電力を再生可能エネルギー電力に切り替えることを発表している。
出典:千葉商科大学 プレスリリース(PDF形式)
出典:横浜信用金庫(PDF形式)
暗号通貨と一緒に考えられるブロックチェーンであるが、ブロックチェーンをお金と切り離して考えることで、その特性を活用できる機会は多い。RE100イニシアチブなどの環境問題や、物品の流通経路を追跡するトレーサビリティは、ブロックチェーンによる正確なデータのトラッキングが今後標準となってくるようにも思う。
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