ブロックチェーンで中古車情報を管理!Ocean protocolがシンガポール企業と提携

中古車情報マーケットプレイスの構築

中古車を購入する時、オンラインの販売サイト情報をどれだけ信じるだろうか。顧客は、現在の車の所有者またはディーラーが提供する情報に依存する必要がある。日本においては、メーターが改ざんされた中古車が問題となっており、2017年には新しい制度を導入し、車検証に記載する情報を更新したが、改ざんが撲滅したわけではない。このように中古車を購入する際には、細心の注意を払う必要がある。

そんな中古車の透明性を強化するマーケットプレイスを構築する企業がある。シンガポールで自動車販売サイトを運営するエスジーカーマート(sgCarMart)は、分散型データ交換プロトコルを提供するオーシャンプロトコル(Ocean Protocol)のブロックチェーン技術を活用した、中古車情報マーケットプレイスの構築を発表した。このような透明性のある中古車情報マーケットプレイスの構築には、シンガポールならではの背景がある。

シンガポールの車事情

シンガポールは、国土が小さい国でありながら都市化が進んでおり、大気汚染が国民の健康にとって重要な問題となっている。そのため、道路を走る車の数をシンガポール政府が制御することとなった。その1つが車の価格の引き上げである。

特にシンガポールの新車は、登録料や車両購入権といった制度などによって、市場価値の230%から310%ものコストがかかってしまう。そのため、シンガポールでは、中古車を選ぶのが一般的とされている。中古車を購入する場合には、消費者が中古車の現在の所有者やディーラーが提供する情報に依存する必要がある。購入者は、本当に適切な情報かを収集し判断しなくてはいけない。

sgCarMartの提供するサービスは、Ocean Protocolを活用することで、中古車購入者の意思決定プロセスを強化する。これにより、データソースの閲覧・記録・追跡が可能になり、中古車購入者が車に関する最新かつ正確な情報を確実に入手できるようになる。メーカーやモデルなどの車に関する情報や修理、サービスに関する情報ソースが記録される。

センタリング
出典:sgCarMart builds Singapore’s first Know-Your-Vehicle data marketplace, powered by Ocean Protocol

正確な情報を刻めるブロックチェーンの有用性

ブロックチェーン技術の改ざんが困難な特性は、正確性を必要とする場面で多く活用されると思う。自動車に関しては、上記のような中古車市場の透明性を強化するものの他にも、工場での製作段階プロセスをブロックチェーンに刻んで出荷することも可能だ。

車は、所有者も変化することが多く、また修理や点検の方法などもさまざまである。車の複雑な管理プロセスは、ブロックチェーン技術の活用により、一元化できるのではないだろうか。

参照
sgCarMart builds Singapore’s first Know-Your-Vehicle data marketplace, powered by Ocean Protocol

【こんな記事も読まれています】
ブロックチェーン×医療の実現へ、Ocean Protocolが提示する活用法とは?
ユニリーバとの提携を発表したOcean Protocolが目指すデータ市場とは
ブロックチェーンで偽造医薬品撲滅へ、ウガンダ政府がスタートアップと協力

おすすめの記事