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ビットコインは、日本時間昼過ぎに7万円幅急落、BitMEXでは50億円相当のロスカットが確認された。下落要因にもあがる中国マイナーの洪水被害は、追加の情報開示で新たな懸念に発展した。

ビットコイン(BTC)市況

21日の仮想通貨市場は、ビットコイン(BTC)が115万円台から108万円まで約7万円幅急落した。

15日から支えのあったトレンドラインを底割れたことで、直近3日の上昇分を吐き出した格好だ。BitMEXでは、12時時点で4,700BTC(51億円相当)のロスカットが確認されている。

中国マイナーとハッシュレート低下懸念

ビットコインの下落では、中国の四川省で起きている洪水被害で、マイニングプールの一部が倒壊したことが伝わり、マイニングハッシュレートの低下が懸念されたことも要因に挙がる。

関連:中国で仮想通貨採掘工場の一部が倒壊

仮に大手のマイニングプールが洪水被害で採掘作業を停止するに至った場合、ハッシュレートが急下落することで、ビットコインネットワークの遅延などにも影響するとの懸念が生じたためだ。特にデフィカルティ調整期を終えたばかりで、タイミングが悪いことも警戒感を強めた。

CoinPostが昼に速報で報じてからも、中国を中心に新情報の報道が相次いだ。中国大手メディアの8BTCからは、最新のレポートも公開されている。

同レポートでは、同省の広範囲にマイナーが拠点を構えているため、被害規模の具体的な数字はまだ明らかになっていないとしつつも、昨年起きた絶望的ともいえる災害被害までには至っていないと情報筋の証言として説明した。

今回の洪水は18日より始まったもので、本日で3日目に入る。被害規模こそ把握できていないが、8BTCが各情報筋から集めた情報では、最低でも数社のマイニングファームに影響が出ているほか、電力を供給する発電所の一部も洪水に見舞われたという。

なお、今回の報道では、被害にあったマイナーの多くが保険の対象外になる懸念が新たに生じている。

報道では、マイナー1社を例として、推定被害額として100万元(1500万円相当)の証言が紹介されていたが、被害額と規模次第では、廃業に追い込まれる業者も出てくる可能性もある。

2018年のハッシュレート低下時に起きた、中小規模マイナーの廃業は、マイナーによる通貨売却が市場の売り圧力として警戒されており、今回の被害額と企業の動向には注意したい。

なお、マイニングハッシュレート世界規模4位のPoolinも、中国マイナーの被害を伝える動画を掲載したツイートを投稿。建物に土砂が押し寄せる様子や、洪水被害後、土砂に埋もれるマイニングマシンを掘り出す様子を公開している。動画からわかる限り、地域によっては、大規模な土砂災害に見舞われたと見られる。

ジャクソンホール会議

8月22~24日、「金融政策の課題」をテーマにジャクソンホール会議が開催される。

ジャクソンホール会議とは、毎年8月に開催される世界の中央銀行首脳の経済政策シンポジウムのこと。リセッションリスクが取りざたされる中で、各国中央銀行の動向は、株価や為替など既存金融市場のみならず、仮想通貨市場にも影響を及ぼす可能性がある。

「金融政策の課題」を2019年のテーマとして掲げる中、7月のFOMCで0.25%の利下げを決定した米連邦準備理事会パウエル議長の発言は、金融政策についてなんらかの言及が予想されるとして市場関係者も神経を尖らせている。

泥沼化する米中貿易摩擦の影響で、8月初めに中国人民元が切り下げたことも、各国の金融緩和政策および通貨安競争に拍車をかけているとの見方もあり、安全資産とされる日本円のほか、仮想通貨ビットコイン(BTC)にも一定の資金流入が見られるとの指摘も後を絶たない。

Bitfinexで新たにリーダーズボードの公開

仮想通貨取引所Bitfinexは21日、新たにトレードで利益を出すトレーダーのランキングに当たるリーダーズボードの公開を行うと発表した。

これまでBitmexのリーダーズボードは公開されていたが、Bitfinexの公開は今回が初めて。

大口の投資家の利用も指摘されるBitfinexの情報開示で、新たな投資指標になる可能性もある。なお、全ての投資家が対象ではなく、リーダーズボードに登録するためには、アカウントページで有効に変更する必要がある。

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