
仮想通貨関連事業や金融機関にサービスを提供するブロックチェーン分析企業のエリプティック(Elliptic)が9月3日、2,300万ドル(約24億円)の資金調達を実施したことを発表した。
日本に新オフィスなど、アジアに注力
今回の資金調達となったシリーズBラウンドはSBIホールディングスをリード投資家とし、 アルビオンVC(AlbionVC)やシグナルファイヤー(SignalFire)、オクトパス・ベンチャーズ(Octopus Ventures)、サンタンデール・イノベンチャーズ(Santander InnoVentures)などが参加した。
エリプティックが発表したプレスリリースによると、今回の資金調達を受け同社は日本とシンガポールで新しくオフィスを構える予定など、アジア地域でのビジネス拡大を目指す。また、同社のアジアのクライアントからの収益は過去2年約11倍に成長している。資金は、Facebookのリブラ(Libra)やLINEが発行するリンク(LINK)、中央銀行が発行するデジタル通貨など新たな仮想通貨をサポートする商品開発を促進するために充てられるという。
仮想通貨業界の発展へ
エリプティックの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のジェームズ・スミス(James Smith)氏は、「私たちは、これ以上仮想通貨経済圏と幅広い金融システムを分けて考えることは意味を成さないと考えている」とし、「今回の出資によって、仮想通貨業界の成長と発展という私たちのミッションを強化できるようになる」とのコメントを発表した。
エリプティックは2013年に創業し、その翌年に世界で初めて仮想通貨のトランザクションをモニタリングするシステムをローンチ。マネーロンダリング対策(AML)のソリューションの提供と開発を進めている。
参考
・Crypto Pioneer Elliptic Raises $23 Million To Fuel Expansion In Asia
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