ベルリンのブロックチェーンウィーク中のハッカソンで開発されたアイデア5選

ベルリンで8月18日から29日にかけてブロックチェーンウィークが催され、さまざまなイベントが開催されました。最も注目されるweb3 Summitですが、EthBerlinもイーサリアム(Ethereum)コミュニティが開発者中心に700名が集まった大規模ハッカソンです。

ハッカソンは3日間行われれ、多くのチームがアイデアのプロトタイプ開発とそのデモを披露しました。本コラムではハッカソンで発表されたプロジェクトからいくつかをピックアップします。

金利スワップのDeFi・Rateswap

Rateswapは、金利のスワップ取引ができるDeFi(分散型金融)アプリケーションです。金利スワップは、一定の想定元本、期間、利息交換日を決定し、変動利率と固定利率の支払義務を相互に交換するデリバティブ取引で、これをブロックチェーン上で実行します。コンパウンド(Compound)の利息の上下に対してヘッジできます。(参照

ガス代を無料にしたウォレット・YAW

YAWのウォレットではイーサリアムの取引手数料であるガスが必要ありません。仕組みは同ウォレット内でユーザーが保管するDAIが自動的にCompound上で貸し出しされており、その金利収入を随時ガスの利用料に変換できます。(参照

DAOのダッシュボード・My-DAO-Dashboard

アプリケーションやプロトコルの決定を分散させるため、多くのプロジェクトがトークンで投票を用いたDAOを導入しています。メイカーダオ(MakerDAO)やアラゴン(Aragon)、モレクダオ(Moloch DAO)などをはじめ、それらの事例はこれからも増えるでしょう。

このとき問題は、各DAOで、どの投票をいつまでに実行するべきかを把握することが複雑になっていることです。My-DAO-Dashboardは、それらをまとめ上げるダッシュボードです。(参照

ブラウザエクステンションの支払いツール・PaiDAi

ブラウザエクステンションを通して、ステーブルコインのDAIを利用しAmazonで商品の購入を可能にすることを目指したツールです。(参照

ガス代の先物・VollgasDAO – Gas Futures on Ethereum

イーサリアムのトランザクション手数料は、そのときのネットワークの混雑具合によって大きく変動します。VollgasDAOは、ガス代の先物のような仕組みです。VollgasDAOはのコントラクトアドレスにETHをデポジットすると、 ERC721ベースのgasFutureTokensを受け取ることができます。

このトークンはいつでもETHに変換することができ、変換レートはその時点でのガス手数料に即したものになります。ガス代をどのように参照するかは、ChainLinkを用いたオラクルで決定します。つまりユーザーは、将来のガス代の高騰に備えてヘッジすることができます。(参照

ハッカソンで披露されたその他のデモについても興味ある方は、マルチコイン・キャピタル(Multicoin Capital)のカイル・サマニ(Kyle Samani)氏がレポートしているので、チェックしてみると良いでしょう。(参照

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