クリプトゾンビがリブラ(Libra)のコーディングチュートリアルのリリースを発表

学習サイトのクリプトゾンビとは?

タイを拠点に置くルーム・ネットワーク(Loom Network)が開発しているクリプトゾンビは、イーサリアム(Ethereum)を中心にしたDApps(分散型アプリケーション)開発のチュートリアルを提供する学習サイトです。開発者は順序立てて、イーサリアム上でどのようにトークンを発行するのか、そしてスマートコントラクトの書き方や簡易的なアプリケーションの構築方法を学べます。

このクリプトゾンビが、リブラ(Libra)のコーディングのチュートリアルをリリースすることを発表しました。開発者はLibra上のアプリケーション開発を学習できるようになります。

関連:Facebookの仮想通貨「Libra(リブラ)」概要を解説!今後の懸念と可能性まとめ

Libraは、バスケットである新しい仮想通貨という側面を中心に注目されますが、そもそもLibraは独自の新しいブロックチェーンであり、独自のバーチャルマシンと独自スマートコントラクト言語であるMoveを備えています。

この独自のスマートコントラクト言語MoveはRustをベースに作られた言語で、イーサリアムの言語であるソリディティ(Solidity)とは開発方法が異なります。

関連:イーサリアム(ETH)の「Solidity」ってどんな言語?ノンプログラマー向けに解説

Libraに対する注目度は依然高く、恐らくクリプトゾンビのLibra開発のチュートリアルは多くのユーザーに利用されるでしょう。

Loom NetworkはLibraの波を上手く使おうとしている好例

Loom Networkが、そもそもこのチュートリアル学習サイトをなぜ提供しているかというと、同社自体がイーサリアムのサイドチェーンのアプリケーションプラットフォームであることに由来します。

学習サイトのクリプトゾンビで開発者にブロックチェーン上での開発方法を学んでもらい、後にLoom Network上でプロダクトを作ってもらいたいと目論んでいるからです。

Loom Networkはイーサリアムだけでなく、複数のブロックチェーンと接続できるサイドチェーンにすると予定されています。Loom Networkについてはこちらで詳しく解説しています。

Loom Networkの接続元になる複数のブロックチェーンとは、Libraも含まれる可能性があることを米メディアのインタビューで明かしています。(参照

つまり、同じくクリプトゾンビでLibraの開発方法の学習を促し、サイドチェーン上での構築をしてもらおうと目論んでいます。また、タイでは既にLibraの開発者ミートアップが行われており、そこに参加していた100人のデベロッパーはブロックチェーン業界の外の人だったとコメントしています。つまり、新しい層の開発者であるということです。

今回の事例は、Libraに対する注目の波を上手く使おうとしている好例でしょう。Libraという巨大な ネットワークがローンチして成長するのであれば、その周辺には何かしらのサービスや関連産業が生まれるはずであり、Loom Networkはその一つになり得ると言えるでしょう。

参考
Master the Basics of Libra Blockchain Development ≋ Before Everyone Else

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