アメリカ進出の準備が進むバイナンス、BNBホルダーのリスクは?

世界最大の取引所であるバイナンス(Binance)は9月7日、数週間以内にアメリカの取引所をオープンすることを発表しました。

バイナンスUSの体制は?

アメリカのバイナンスは現地パートナーと展開し、リップル(Ripple)社で機関投資家との対外業務を務めていたキャサリン・コーリ(Catherine Coley)氏が最高経営責任者(CEO)として運営されます。

ローンチ時点でニューヨーク州の暗号通貨取引所ライセンスであるビットライセンスを得ていないため、ニューヨーク州の住民はバイナンスUSに登録できません。まだその他の州のユーザーは、IDと社会保障番号の提出が義務化されます。

執筆時点で取り扱う暗号通貨銘柄は明らかになっていませんが、約30銘柄を検討していることが発表されています。(参照

またバイナンスは9月5日にアメリカで規制された形でステーブルコインをローンチすることを発表しました。名称はバイナンスUSD (BUSD)として発行され、同ステーブルコインはニューヨーク州の金融規制当局から許可を得ています。BUSDは米ドルで1:1でペグされますが、このカストディをイットビット( itBit)に委託しています。

イットビットは、ステーブルコインのパクソス(Paxos)を約一年半に渡り営業しており、ニューヨーク州の規制にも遵守しています。

バイナンスコイン(BNB)ホルダーが知っておくべきリスクは?

アメリカ進出に伴い、9月12日からアメリカ国民は本家のバイナンスへのアクセスが制限されます。日本も含むバイナンスのユーザーにとって影響が大きい点は、この部分でしょう。

バイナンスの取引ボリュームのある程度の割合はアメリカからのアクセスによってもたらせていることは言うまでもありません。つまり、それに相当する流動性が既存のバイナンスから消失することを意味します。

バイナンスがアメリカで営業開始をするにしても、多くの銘柄を取り扱えるかは定かではなく、本家のように多様なサービスを展開することも難しいでしょう。同取引所のコアとなるトークンであるBNBも上場取り扱い、およびサービスに組み込みできるかも分かりません。そしてそれらが提供できない場合は、コインベース(Coinbase)をはじめとした既存のアメリカ取引所との差別化は困難になります。

バイナンスのアメリカ進出において大きいリスクは、失敗した際にグローバルの出来高がアクセス制限によって減少し、進出をしてもアメリカ顧客を惹きつけられない場合があり、これが大きなリスクであるといえます。とはいえ、もちろんアメリカでの営業が成功した場合は大きいアップサイドがあることも間違いありません。

同社のトークンであるBNBの価格は同社の業績推移から大きく価格が影響するトークン設計で、日本にも多くのファンがいます。しかしながら、こういったリスクは各々が精査した上で投資判断を行うべきであると言えるでしょう。

バイナンスコイン(BNB)の価格・相場・チャート

参考
What to Expect From Binance.US
Exciting Developments Coming Soon for Binance.US

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